南アフリカワイン3つの特徴と人気が上昇している理由!

南アフリカワイン3つの特徴と人気が上昇している理由!
今回は、人気急上昇中の南アフリカワインを取り上げていきます。南アフリカと聞くと、砂漠や野生動物が多いとイメージでジャングルがあるのではないかと想像してしまいますが、実は、ぶどう栽培に適した国土や気候があり、大自然の中でぶどう栽培が行われています。

2013年には1,097,200トンのワインを生産し世界9位になりました。日本が輸入している南アフリカワインは、2003年に1,498キロリットルだったものが2013年には2,256キロリットルに。10年間でなんと約1.5倍に増えているんです。

そこでこれから、南アフリカワインの人気がジワジワと上昇している理由と、他の国のワインと違った南アフリカワインが持つ3つの特徴をお伝えいたします。ぜひ参考にしてください。

 


 

南アフリカワイン3つの特徴と
人気が上昇している理由!

 

南アフリカワインの歴史

まずは、南アフリカワインの歴史からご紹介します。17世紀、オランダが南アフリカにぶどうの木を持ち込み、ワイン造りを始めました。その後、フランスがぶどう栽培やワイン醸造の技術を伝えたのが、現在の南アフリカワインの基礎となっています。

その後、南アフリカはイギリスの植民地になり、イギリス人に親しまれるワインになりました。ところが、イギリス酒税法の改正で「フランスワインの税金を免除する」ことになり、フランスワインがシェアを拡大。さらに、ぶどうの木の根に寄生してぶどうの木を腐らせ枯らしてしまうフィロキセラの被害により、南アフリカワインは停滞し、生産量は徐々に減ってしまいます。

しかし、1918年に南アフリカワイン醸造協同組合連合(KWV)が誕生し、ワイン産業を引っぱり品質の向上を図りました。1973年に制定された原産地呼称名称制度に管理されることにより品質が向上し、一気に国際化が進みました。

現在では、ニューワールドワインの一員と注目されています。実は、アメリカやオーストラリアよりも南アフリカワインの方が歴史は長いんですね。そんな南アフリカワインの歴史が長く、品質も向上されているといった点が、人気上昇の理由になっているのです。

環境基準合格シール
integrity KWV
環境検査に合格したワインには、写真のようなステッカーが貼ってあります。この検査は南アフリカが世界で初めて導入した基準です。

 


 

南アフリカの気候・土壌

cape-town
南アフリカワインのぶどう栽培地の大部分は、ウェスタンケープ州の沿岸地域にあります。海から吹き込む冷涼な風「ケープドクター」と、1年を通じて、温暖で年間平均降水量が500ミリ前後の気候は、ぶどう栽培に適しています。ちなみに、この地域は「ケープ植物区保護地域群」で世界遺産にも登録されています。植物の多様性は約5000種。固有種を含む8000種以上の植物からなっています。

ケープ地方の土壌は、テーブルマウンテン砂岩由来の砂質土壌で水はけが良い土壌。ほどよく保水力を持つ花崗岩由来の土壌や、水はけの良い風化した頁岩土壌で多様な地形ごとに複雑に入り組んでいるのか特徴です。ぶどう栽培には水はけが良い土壌が適しています。

降水量が少なく水はけの良い土壌では、ぶどうの木の根は下へ下へと伸び、より多くのミネラルを吸収し、美味しいぶどうができます。2つ目の特徴としてこの土壌と気候が、南アフリカワインを美味しくしているのですね。

 

南アフリカワインのぶどう品種

pinotage
南アフリカワインの特徴の3つ目はぶどう品種です。歴史の過程で持ち込まれたぶどうの品種の多くは、ヨーロッパ品種。ところが、1925年に「ピノタージュ」という南アフリカ独自の赤ワイン用品種も生まれているのです。

ここでは、そのピノタージュについて詳しく見ていきましょう。まず、「ピノタージュ」は、フランスブルゴーニュ地方で造られる「ピノ・ノワール」と、フランスローヌ地方で造られる「サンソー(エミタージュ)」の交配で作られました。

「ピノ・ノワール」は偉大なワインを造る品種として名高いですが、暑さと病害虫に弱く一年を通して気温が低いブルゴーニュ地方以外では、その真価を発揮しにくいというデメリットがあります。もう一方の「サンソー(エミタージュ)」は丈夫で豊産の名品種であり、完熟するためには日照と暑さが必要なのです。この2品種のメリットとデメリットを上手く交配し、南アフリカの土地に合った品種と作り上げたのが「ピノタージュ」ということですね。

「ピノタージュ」から造られたワインは、鮮やかで濃いルビー色を放っています。若いうちは酸味と渋みが強目。熟成していくにつれ、ブラックベリーのような酸味と、バナナなどのフルーティの豊かな香りの中にチョコレートの風味があり、しっかりとしたワインに仕上がる特徴があります。

人件費が安いので日本に輸入されている南アフリカワインは、味や品質に対してコストパフォーマンスが非常に高く、これが人気上昇している理由の一つですね。

 
 

いかがでしたでしょうか。南アフリカワインの特徴と人気が上昇している理由をお伝えしました。

まず、ワインを造る歴史は17世紀後半から行っており、フランスからのワイン醸造技術も入っているので、各国のニューワールドワインの中では歴史と伝統があります。さらに、ウェスタンケープ沿岸には、ぶどう栽培に適した温暖な気候や水はけの良い土壌などワイン作りに必要な大自然にも恵まれているのですね。

そして、南アフリカの土地に適した「ピノタージュ」など品種改良にも取り組み、原産地呼称名称制度も管理されることにより品質も向上しています。そういった特徴が揃って、美味しいワインを作り出しているのですね。おまけにコストパフォーマンスも大きいので、日本でもジワジワと人気を上げてきました。

南アフリカワインを飲みながら、もう一度3つの特徴と人気の理由について考えてみてはいかがでしょうか。自然の恵みに新しい発見があるかもしれません。

こちらの『南アフリカワインを飲んでみよう!おすすめ5選』で南アフリカワインのおすすめをお伝えしていますので参考にしてください。

 

まとめ

南アフリカワイン3つの特徴と人気が上昇している理由!

・南アフリカワインの歴史は17世紀後半から。ヨーロッパ品種と技術を南アフリカ独自のワイン造りに活かしている。

・南アフリカワインのぶどう栽培地の大部分は、ウェスタンケープ州の沿岸地域。気候と土壌がぶどう栽培には適している。

・南アフリカワインのぶどう品種はヨーロッパ品種が多い。南アフリカ独自の「ピノタージュ」もあり、品質改善が地域全体で盛んに行われている。

・日本に流通しているのはごく一部の南アフリカワイン。コストパフォーマンスが良く、人気が上昇している。


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