いくら頑張っても仕事をしても、社内で女性が昇進することはなく、給与も横ばい・・・そんな悩みを抱えている女性は多いと思います。昇進だけでなく、社会での女性の扱いは長年にわたって取り上げられる問題の一つですよね。
そんな中、女性が十分に能力を発揮して、活躍できる環境を整備するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が2016年4月1日より施行されます。男社会の日本でも、女性の管理職が増えていく?ということかもしれません。
でも、実際には何をすれば昇進につながるの?という疑問もあるはず。そこで今回は、女性の社会進出、活躍を期待して施行される法律の、表裏を見てみましょう。
オトナ女子の昇進チャンス!法改正で簡単に女性管理職になれる?
女性活躍推進法
冒頭では、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律と述べましたが、女性活躍推進法とも呼ばれています。
その内容は、301人以上の事業主が採用者数に占める女性の比率、勤続年数の男女差、労働時間の状況、管理職に占める女性の比率などを把握して分析、それらの情報を届け出したうえで公表するという法律です。
その企業に勤めている女性の割合が多ければ多いほど、就職活動の際には女性が選びやすくなるので、企業によっては有利に使えるかもしれません。しかし、実際にはそれらの情報を公表すること自体に意欲的な企業はないようです。
採用者数に男女差はなかったとしても、管理職に占める女性の比率は少ない企業が多いのでしょう。
キャリアウーマンを目指す女性としては、一つの指針になる今回の法改正、有利に使っていくほかありませんね!
女性管理職の現状は?
では、一体女性管理職とはどの程度の比率でなれるものなのでしょう?
現状は、産業全体で見た場合、女性管理職の比率は7.6%という数字が出ています。管理職だけでみると、10人に1人もいないということになりますね。
一方、職種で分けてみたところ、医療・福祉の分野においては42%と高い比率が出ています。しかし、建設業などの場合、女性管理職は1%程度。超少数派といっても過言ではありませんね。
職種によって、男性の方が向いている、女性の方が向いているなどあるので、一概に平均値に近づけるべきとは言いませんが、女性の比率が多いと言われている医療福祉分野でも、50%以下の割合ということは、女性の管理職は門が狭いということですね。
女性を有利に扱うことは認められている
企業側が求人や管理職を募集するうえで、女性を有利に扱うことは認められています。
労働者に占める女性の割合、役職の労働者に占める女性の割合が4割以下の場合、女性を有利に扱うことができるんです。
例えば、「経理課長募集(ただし女性に限る)」という求人を出しても、企業側は何の問題もないということ。
女性活躍推進法によって、社内での女性の人材育成はもちろんのこと、業務経験が豊富な女性労働者の採用に積極的になってくれることは目に見えています。
ということは、女性が管理職に昇進できる機会も、今までと比べると当然上がるということ。
今まで昇進できずに悩んでいた女性は、この機会に昇進の意欲をアピールするのもいいかもしれません。
一方、男性の採用・雇用については?
女性を有利に扱っていいということは、女性からするとうれしいですよね。しかし、女性の管理職への門戸が広がるということは、男性のそれが狭くなってしまうということ。
女性を有利に扱った求人には、男性は応募・立候補すらできないということですから、不満が上がる恐れもなくはないですよね。
また、男性労働者の方が割合が多いということは、優秀な人材を含む可能性も男性の方が多くなるわけですから、企業としての進展につながるのかは疑問な部分があります。しかし、男女が平等に雇用・労働できないというのは、今までの日本に根強く残っていた風習であるため、このような方法をとらざるを得ないのかもしれません。
女性の負担は増えないのかと、筆者は懸念します
例えば、独身のキャリアウーマンで、これからも未来永劫バリバリ働きます!という女性は、ある意味男性と全く同じ労働が可能ですが、一般的な女性はそうでない場合が多いですよね。
そう、女性には妊娠・出産・育児があるからです。
産前産後休業、育児休業が認められている企業はとても増えてきましたが、それらを当たり前のように何度も取れる企業というのは少ないように思います。周囲の風当たりも強くなることだって少なくありません。
そんな中で一生懸命頑張って、女性管理職になったとしても、家事・育児に加えて重責を伴う管理職の仕事・・それはあまりに女性への負担が大きくなってしまうのではないかと思うのです。
家庭のことを考えたら、管理職への立候補は控えよう・・そんな考えを持つ女性は増えていくのかもしれません。
今日のまとめ
オトナ女子の昇進チャンス!法改正で簡単に女性管理職になれる?
いかがでしたか。女性の雇用・管理職への昇進の門戸が広くなることは、とても喜ばしいことかもしれません。しかし一方では別の問題が出てくる可能性も考えられます。
仕事を頑張りたい!という意欲で昇進を成し遂げても、後々自分の首を絞めてしまう・・そんな悲しい事態になることのない社会に、なっていってほしいですね。
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・ 女性管理職の現状は?
・ 女性を有利に扱うことは認められている
・ 一方、男性の採用・雇用については?
・ 女性の負担は増えないのかと、筆者は懸念します