会社員から個人事業主へ!その②《独立後の現実》

会社員から個人事業主へ!その②《独立後の現実》

男性も女性も多様な働き方が選べるようになった現代、会社員を辞めていつかは独立したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そのための資格を取ったり、貯金したり、人脈を作ったり…準備するものも期間も人ぞれぞれですが、本当に必要なものが何かをきちんと把握しておかないと後で後悔することにもなりかねません。

そんなことにならないために、筆者の実体験をもとに会社員→個人事業主として独立する際にやるべきことついて2回に分けてお伝えしております。前回は《独立までに考えておくこと・お金のこと・用意しておくもの・ぶつかる壁・心構え》に焦点を当ててお伝えしてきましたが(その①《独立したいと思ったらやるべきこと》)、今回は《用意しておくもの・ぶつかる壁・心構え》についてお伝えしていきます。

会社員から個人事業主へ!その②《独立後の現実》

 

用意しておくもの

運転資金・生活費

いきなりお金の話から始まって恐縮ですが、やはりここが一番大切になります。夢や希望を持つのももちろん大切なことですが、現実問題として、運転資金がなくては事業を続けることができませんからね。

前回の記事の最後にもお金のことを書きましたが、独立前に考えている額のプラス100万は欲しいところです。100万を0から作ろうと思うと大変ですが、ボーナスやインセンティブ、副業で得た給与などの臨時収入を積み重ねていきましょう。それなりの額にはなりますので、安定的に給与が得られる在職中から貯めておくことをお勧めします。

金額の目安ですが、運転資金は毎月の固定費が4~6か月分、生活費は3か月分ほどあると安心です。独立してすぐに収入があればいいですが、そうでない場合、最初の3か月は事業での支出>>>生活費>収入といったバランスになります。

人脈

独立後は1人で仕事をしていくというイメージが先行しがちですが、実際は人と人のご縁に助けられる場面もとても多くあります。まさに持ちつ持たれつといった感じで、1人だからこそ人とのつながりが大切だということを痛感します。

とはいっても、人脈を増やすために異業種交流会や飲み会にむやみに顔を出せばよいというものでもありません。目的は名刺を配ることでも自分を押し売ることでもないですよね。

人との繋がりが濃くなる分どんな人とつながるのかがとても重要になってきます。人間は、無自覚のうちに身を置いた環境に影響を受ける生き物です。交換した数=人脈と考えるのではなく、そこにいる人はどんなことを考えどんな軸を持っているのかなどをしっかり見極めたいですね。

あなたの「ファン」と繋がる

あなたのファンとは、すなわちお客様という名の大切な心強い応援団です。独立開業後に集客すればいいと考えがちですがそれでは遅すぎます。

独立を決めてから実際に行動し成功するまでを、あなたの想いと一緒にブログなどのSNSで発信しましょう!『共感』『親近感』『想い』で繋がった関係はとても強いです。

ぶつかる壁

次に、独立開業してからぶつかる壁についてお伝えしていきます。

ネガティブな感情

この感情が好きな方はいないですよね。でも、遅かれ早かれどこかで感じることになりますので早めに向き合いましょう。もちろんそういったことを一切感じないという方もいると思いますが、それは素晴らしいマインドですので自分の道を突き進むのみです。

フリーランスは毎月決まった仕事や給与が保証されているわけではないので、収入の面でも精神面でも良いときと悪いときの波が大きくなります。ですが永遠に高波が続くわけではありません。

高波の時は苦しいですが乗れない波に無理に乗る必要はなく、また穏やかな海に戻ってくれるのをじっと待ちましょう。うまく波に乗れない時にどうやり過ごすかを考えておくのもいいですね。

ちなみに筆者は、考え出すとどんどん自分の内側(ドロドロした感情)に入り込み、気が付いた時には自力で出られなくなっているタイプです。負の感情とどう向き合うのかは人それぞれですが、独自に編み出したおすすめのやり過ごし方をお伝えしておきます。よろしければお試しくださいね。

脱☆ネガティブ!おすすめ方法5選

①隣の芝が青く見えるときはあえて目をつぶる
同業者と自分を比較する時間があったら、いっそ思い切って睡眠時間に当てましょう!不安で眠れなくれも、目を閉じて横になっていたらいつの間にか寝ています。人間とは案外そんなもんです。

②仕事とは無関係の趣味を持つ
好きなことで独立をすると、趣味と仕事の区別がつけにくくなります。全く無関係の趣味とコミュニティを作りましょう。できれば食べ歩きなどのグルメ系、もしくは散策やフットサルなどのアウトドア系の趣味がおすすめ!植物を育てるのもいいですね。

③紙に書き出す
今自分が抱えているネガティブな感情を、すべて紙に書きだしましょう。誰に見せるわけでもないのできれいな言葉でなくてもいいのです。自分の感情をありのままの言葉で書いてみると、気持ちがすっきりするだけでなく思考もどんどんクリアになっていきます!余裕があればその紙をライターで燃やしてしまうのもおすすめです。

④精神的に自分を甘やかす
苦手な方は多いと思いますが、自分で自分を苦しめても何もいいことがありません。鼓舞することと追い詰めることは紙一重です。疲れるということは頑張っているということ、立ち止まりたくなるのは前に進んでいる証拠だと考え、時には思いっきり甘やかしてあげることも大切です。

⑤必要以上に自分を卑下しない
ネガティブな感情に支配されてしまうと、今の自分も環境も何もかもが嫌になってきますよね。でも、自分を大切に想えていないオーナーにお客様がついてきてくれるはずがありません。自分は出しているつもりがなくても、お客様はこちらのネガティブな感情に敏感です。謙虚でいることは大切ですが必要以上に卑下しないでください。

維持することの難しさ

始めるのは簡単でも、長く維持していくことが難しいのがフリーランスです。資金などが底をつくより先に精神面で折れてしまっては元も子もありませんので、うまくいかなかったときにどう動くかを想定しておきましょう。

一般的に、行動を起こしてから自分が肌で感じられるほどの結果が出るまで半年はかかるといわれています。この半年をどう乗り越えるかが開始早々に大きな壁となり立ちはだかります。

そこで、乗り越えるための手段をあらかじめいくつか用意しておきましょう。一番良いのは資金をある程度蓄えておくことですが、事業とは別に収入源を複数確保しておくのもおすすめです。お金の余裕は心の余裕を生むので精神的な苦境も乗り越えやすくなります。目に見える形で収入を得られると気が大きくなりがちなので、節制することも心がけましょう。

半年を乗り越えられたら1年、また1年と進んでいくわけですが、その時々でさまざまな大きさに変化する波に飲み込まれないよう踏ん張ってください。細く長くでも続けていけば必ず見えてくるものがあります。

とはいっても、借金まみれになってまで続けるのもおかしな話です。「いつまでに、いくらまで資金が減ったら辞めるのか」という1つの指標を持っておくのがベストです。

心構え

最後に、1人で独立開業してやっていくのに最も大切な心構えについてお話ししていきます。ここがぶれてしまうと上手くいくものもいかなくなってしまいますので、しっかりと考えておきましょう。

初心を忘れない

さて、ここまで記事をお読みいただきましたがどんなことを感じたでしょうか。それでもやっぱりやってみたいと思っていただけたのであれば、その高揚感や希望をどんなときも忘れないでいてください。

悩んだら、迷ったら、初心に立ち返ってなぜ独立しようと思ったのかを思い出してください。進むべき道が分からなくなったときは、一度スタート地点に引き返して仕切りなおす勇気も大切です。

また、ある程度売り上げが上がってくるようになると多かれ少なかれ性格も変化してきます。謙虚で驕らず朗らかな人のところに幸運も良縁も集まってくるということも心に留めておいてください。

命までは取られない

新しいことに挑戦するときには少なからず恐怖心がついてきますよね。これまで経験したことのないことに向き合うわけなので、人間として当たり前の感情です。でも、怖いからって踏み出さないのはとてももったいないです。

失敗するか成功するかは誰にもわかりませんが、始めてみなければ永遠に答えはわからないままです。もし失敗してしまっても、潔く撤退する判断が下せれば命まではとられないと気楽に考えるのも大切です。

プライドと見栄は何も生まない

自分の仕事に対するプライドはとっても大切ですが、周りに対するプライドや見栄はあなたの足を引っ張ります。どの分野にも先人がいて、知恵も経験もあるベテランがたくさんいますよね。

うまくいかないときこそ恥を捨てて、そういった人たちの意見を素直に聞き入れ学ぶのが復活への近道です。もちろん、助けてもらって当たり前という感情でいてはだめですよ。自分にできることがあれば全力でお返ししましょう!

つまづいてしまったときに素直に周りにSOSを出せるのも立派なプライドです。

最後に

厳しいこともたくさんお伝えしてきましたが、独立にはそれ以上のやりがいがあると筆者は日々感じています。心からそう思えるようになるまでには苦しいこともたくさんありましたが、それでも続けてこられたのは周りの人の支えと自分の情熱があったから。

よく起業の相談をされるのですが、大変の方が「今独立しても大丈夫か」と聞いてきます。どんなにすごい技術があっても、見込み顧客がたくさんいても、大丈夫かどうかは実際に始めてみないと誰にもわかりません。

他人の人生に責任はないので、悩んでいる人の背中を押すのは簡単です。誰かに押されないと始められないのならまだ時期尚早ですので、最初の1歩を踏み出す勇気すらないのであれば辞めておいたほうがいいです。

最初の1歩を自分の力で踏み出せる人にこそ、思い切って飛び込んでみていただきたいと強く感じます。新しい門出を応援しています!


連記事
タイトルとURLをコピーしました