会社員から個人事業主へ!その①《独立したいと思ったらやるべきこと》

会社員から個人事業主へ!その①《独立したいと思ったらやるべきこと》

男性も女性も多様な働き方が選べるようになった現代、会社員を辞めていつかは独立したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そのための資格を取ったり、貯金したり、人脈を作ったり…準備するものも期間も人ぞれぞれですが、本当に必要なものが何かをきちんと把握しておかないと後で後悔することにもなりかねません。

独立後に大規模な取引などB2Bの起業をするのか、セラピストや個人サロンなどB2Cの個人事業主になるのかによっても大きく変わってきます。今回は筆者の実体験をもとに、会社員→個人事業主として独立する際にやるべきことついて2回に分けて《独立までに考えておくこと・お金のこと・用意しておくもの・ぶつかる壁・心構え》に焦点を当ててお伝えしていきます。

会社員から個人事業主へ!独立したいと思ったら考えておくべきこと

 

独立までに考えておくべきこと

なぜ独立したいのか

今現在、会社や組織など雇われて働いていると仮定してお話ししていきます。この記事を読んでくださっているあなたは、なぜ出勤さえすればお給料が毎月振り込まれる会社員から独立したいと考えたのでしょう。何か広めたいことがあるからでしょうか、特殊な資格技法を持っているからでしょうか。

人間の思考・行動には必ず何かしらのきっかけがあります。独立を考えたきっかけが必ずあるはずですので、もう一度深く掘り下げてみてください。

おすすめは紙に箇条書きで書き出してみることです。頭の中を可視化することによって自分でも気が付かなかった本音が見えてきますし、文字にしてみることで自分の決意がどれほどのものなのか意外とわかったりします。

「独立したら何かが変わるかも」「お給料が上がりそう」「かっこいい」などの理由であれば、現実はそんなに甘くないのでこのまま会社員でいることをおすすめいたします。独立というと聞こえはいいですが現実は楽しいことばかりではなく、苦しいこともたくさんあります。いや、苦しいことの方が多いかもしれません。

誰にでも語れるような理由なのであれば苦しい時の踏ん張りがきかないので、遅かれ早かれ独立したことを後悔します。やりたいこと・広めたいことが先に来てそのための手段が独立することなのであれば、さっそく行動に移しましょう!

自分の現在地を確認する

独立したいと思ったきっかけが何だったかを整理したところで、自分の現状も振り返ってみましょう。もしこれから資格などをとる必要があれば、それにかかる費用や時間も考える必要があります。もうすでに勉強を始めていて資格を持っているのであれば、実際にお客様に提供できるレベルなのかもブラッシュアップしなくてはなりません。

受けなくてはならない研修などがもしあれば、会社員でいるうちに受けてしまうことをお勧めします。独立してしまうと、自分が抜ける=売り上げが上がらないということですから時間がもったいないです。

独立までの時間を逆算する

何で独立するのかを考えたら、次は会社を辞めるのか・やめるとしたらいつにするのかを考えしょう。これは職場の規則や内容にもよりますが、会社を完全に退職しなくても週末起業という手があります。

一度会社を辞めてしまうと、元のポジションに戻ることはおろか会社に入りなおすことも難しくなります。また、もし物件を借りたり設備を整える必要があれば想像している以上にお金がかかります。お金のことについては後述しますが、ある程度貯金がないと厳しいです。お給料やボーナスがもらえることは当たり前のように感じますが、本当にありがたいシステムであることを忘れないでください。

筆者はよく独立の相談をされますが、店舗を借りたり設備をそろえたり、完璧に環境を整えてからでないと動けないという人が本当に多いです。これは言い訳にすぎませんし、実際にやってみて思ったことですがそこまで完璧でなくても大丈夫です。動きながら必要なものを精査して揃えていっても十分間に合いますよ。

会社を辞めると腹をくくったなら退職時期を考えます。今抱えているプロジェクトが落ち着いたらでしょうか。年度の変わり目でしょうか。会社としてもあなたの後任を考えるなり雇うなりしなくてはなりませんので、早めに伝えて迷惑を最小限にとどめるようにしたいものです。自分の夢にまっすぐに突き進むのはいいことですが、独立後にどこでどう人脈がつながるかわかりませんので立つ鳥跡を濁さずでいきましょう!

顧客モデル・客層・ターゲット層を絞る

今現在顧客を持っているならいいですが、独立するだけではお客さんは来てくれません。せっかくならあなたが退職してまで広めたいこと・ものをより多くの人に届けたいですよね。そのためには綿密な計画が必要です。マーケティングの本などもたくさん出ているので、自分の業務体系により近いものを参考にしてみてください。

「誰がきてくれてもいい」ところには誰も来ませんので、かなり細かいところまで顧客モデルを絞ることが大切です。自分が提供したいサービスはどんな属性の人に響くのか考えましょう。かゆいところに手が届くサービスを届けられることは、個人事業主として活動することの大きな強みでもあります。


 
 

お金のこと

独立に必要なお金のことについてもお話していきます。

必要なもの①開業資金

すでに資格を持っているのか、物件を借りるのか、人を雇うのかなどによっても違いますが、開業にかかるお金をざっと計算してみます。

モデルケース◆個人ネイルサロン
港区/マンション/最寄駅徒歩5分/9帖/事務所利用可物件

物件費用:700,000円
(内訳:初月家賃/敷金2/礼金1/仲介手数料/鍵交換費用/保証会社/消費税)
設備費用:1,000,000円
(内訳:ネイル机1/フット用チェア1/内装・インテリア/ネイル用品/備品/消耗品/消費税)
予備資金:100,000円
(内訳:火災報知器など追加設備の必要が出てきた際の保険として)
合計:1,800,000円
※人件費は含んでいません
※最低金額として算出しています

ご覧いただいてもわかるように、ただ家を借りるのとは資金事情が大きく変わってきます。自宅の一角でできれば一番いいですが、特に女性の場合は自宅に不特定多数を招くのにも抵抗がありますよね。

また、きちんと店舗として経営していきたいのであれば事務所利用可物件か、最低でもSOHO物件(自宅+事務所)でなくてはなりません。そうなると、毎月の家賃に消費税が加算されたり初期費用が一気に跳ね上がります。

必要なもの②運転資金

開業にこぎつけたとしても、続けていかなくてはなりません。オープンしてから実際に売り上げが上がってくる3か月目くらいまでにかかるお金をざっと計算してみます。

モデルケース◆個人ネイルサロン
港区/マンション/最寄駅徒歩5分/9帖/事務所利用可物件

家賃:395,280円
(内訳:家賃3/管理費3/消費税)
必要経費:30,000円
(内訳:電気/ガス/水道/インターネット/保障会社)
人件費:240,000円
(内訳:自分のお給料/生活費)
合計:665,280円/3か月

実際に開業してすぐに売り上げがあげられたらいいのですが、そんなにうまくいくことは稀です。上記では余裕を見て3か月分として計算していますが、3か月分の貯金で済むのはかなり運が良い場合です。

クーポンサイトへの掲載やお試しモニターなどのキャンペーンを設けるのであれば、稼働時間と売り上げが比例しないばかりか、売り上げが目に見える形で現れるのはかなり先のことになります。

盲点!その他かかる費用

他にも、意外なところでお金がかかってきたりします。筆者が実際にかかって驚いた項目をご紹介します。

びっくり!意外な盲点だった経費
◆備品の買い足し
知人に譲っていただく予定だったソファが解体途中に壊れてしまい、急きょオープン前日に買い足すことになりました。それに付随してカバーや収納なども新たに必要になり、高額ではありませんでしたが探す時間や手間を考えると痛い出費でした。
◆インターネット代
家賃や管理費のことで頭がいっぱいでしたが、毎月のインターネット代もばかにできません。必要不可欠なものではありますが、開業初期のあの時期に毎月の固定費が増えるという現実はとても辛かったです。

金額自体はそんなに高いものではありませんでしたが、何かとお金がかかる開業初期には痛い出費でした。何があるかはオープンするまでわかりませんのでやはり自分の想定額+αで考えておくと安心です。ちなみに筆者は当初想定していた金額+50万くらいかかり、最終的には会社員時代にためた約200万近いお金が本当にあっという間に飛んでいきました。

気分が重くなるようなお話ばかりしてきましたが、実際問題お金のことは心理的にも現実的にも大きなウェイトを占めます。考えるだけで気が滅入ってしまうかもしれませんが、今できる最大限のリスクヘッジはしておくべきだと思います。

筆者は、独立は山登りに似ていると日々感じています。綿密な計画を立てて資金を準備して万全な状態で挑んでもなお、その時になってみないと何が起こるかわからないからです。でも考えられるリスクを1つずつ潰すことはできますし、そこを踏ん張って乗り越えられたら必ず新しい景色が見えてきます。その景色は、登ってきた人からの伝え聞きや体験談などを通して見えるものではなく、挑戦した人だけが見られるものです。

次回は、用意しておくもの・ぶつかる壁・心構えについてお伝えしていきます。


連記事
タイトルとURLをコピーしました