心理学を恋愛に応用するというのが、昨今、巷で流行していますよね。「自分から告白してフラれるのは嫌。相手から告白するように仕向けたい」「どうにかして相手を振り向かせたい」という方に、心理学を使った恋愛テクニックは熱く支持されています。
しかし、心理学を恋愛に利用することには大きなリスクがあります。多くの方はそのリスクを知らないまま安易に心理学を利用してしまうために、最後には失恋の憂き目にあうのです。
ここでは、心理学を恋愛に応用するリスクや心理学を意図的に恋愛に使わない方が良い理由や根拠などについてお伝えします。
これを読めば心理学で相手を振り向かせたい!なんてせこい考え方は捨て、真正面から相手にぶつかっていこうという気になるはず。切ない片思いをしている方、ぜひ参考にしてください。
心理学は意図的に恋愛に
使わない方が良い理由と根拠とは
ゲインロス効果、ギャップで百年の恋もさめるかも。
心理学でよく耳にする「ゲインロス効果」、これは簡単にいうと「ギャップ萌え」です。「あんなに真面目そうな子にこんな意外な一面が!?」「おとなしそうに見えて実は!?」というのがゲインロス効果、恋愛に関する心理学ではよく取り上げられますよね。
この、ギャップで相手の気を引くというやり方は、たしかに心理学にかなった恋愛のテクニックですが、やりすぎるとかえって相手をドン引きさせてしまうことがあります。
あなたの片思いの相手、相手もあなたのことを憎からず思っていた場合、ギャップを見せたことで「えっ、こんな子だったの」と相手の気持ちが冷めてしまうかもしれません。
普段のあなたが偽物であり、酔いやら何やらの勢いで思わず彼に見せてしまった一面が素のあなたなら、ギャップで相手に振られても、まあ仕方ないと諦めもつきます。
でももし、ギャップで相手の気を引こうと、ガラでもないキャラを演じてしまい、彼に「思っていたのと違う感じ」と思われてしまったら……泣くに泣けませんよね。
このように、心理学を恋愛に応用するのにはリスクが伴います。ゲインロス効果については、あなたが恋愛の達人でないのなら、使わない方がよいですよ。
フットインザドア、ずうずうしい子と思われてしまうかも。
「フットインザドア」という心理学用語があります。この用語は、セールスマンがドアに足を挟む行為からきており、「最初は相手に対して控えめな要求をし、相手が要求を受け入れたら、次にする前よりも大きな要求も受け入れられやすくなる」という心理学の法則です。
つまり、好きな相手をデートに誘うとき、「カフェに行こう」「いいよ」「映画に行こう」「いいよ」「旅行に行こう」とこんな具合に、少しずつ要求を大きくしていくことで、相手に要求をのませてしまうというやり方です。
ちょっと強引なやり方ですが、このやり方で来られたら、相手の要求を断りづらくなってしまいますよね。思い当たる節のある方も多いのでは?この心理学は恋愛にも応用できます。
最初は簡単な要求から、次第に要求を大きくしていき、最後には「恋人になってよ」「いいよ」まで持っていくわけです。
この方法、案外うまくいきます。うまくいきますが、相手には「断りづらいからなんとなくOKしてしまった」という感情が残ってしまいます。
だまされたと感じる方もいるでしょう。付き合うことはできても、長続きする恋愛にはなりません。また、場合によっては、相手に「ずうずうしい」と思われ、遠ざけられてしまうことも。
心理学を恋愛に応用するとは、心理学を利用して相手が心理的に逃げにくい状況を作ってしまうということ。相手と信頼関係を築くのには、心理学は向きませんよ。
嫉妬のストラテジー、片思いの相手に笑顔で祝福されるかも。
嫉妬のストラテジーとは、相手の嫉妬心を利用して、相手を意のままに操ろうという心理学のテクニックです。
具体的にいえばこういうことです。片思いの相手に、「ある人から告白されちゃった」と言います。そうすることで、相手は動揺します、もとい、動揺するはずです。
それまで友人としてしかあなたを考えていなかった相手に、「他の奴にとられたくない」という気持ちがにわかに芽生えます。
その嫉妬心がいつしか恋心となって、あなたを好きになってしまうのです。少女漫画でよくある手ですね。しかし、これが成功するかどうかは、ひとえに相手のあなたに対する気持ちにかかっています。
もし、少しでもあなたに好意があるのなら相手はあなたの手に引っかかってくれるかもしれません。しかし、相手があなたに対して微塵の執着もなかったとしたら……嫉妬心を誘うつもりが、相手に「よかったな。
末永くお幸せに」などと言われてしまうかも。失恋よりも悲しい経験になりますよ。さらに、この展開はあなたが相手にアプローチするチャンスも奪ってしまいます。
「こないだあっちの男と付き合うって言っていたのに、今度は俺にアタックするなんて。軽い女だな」と思われてしまうからです。嫉妬のストラテジー、安易に使っては危険ですよ。
ミラーリング、相手からストーカー認定待ったなし!
ミラーリングとは、読んで字の如く、相手の真似をすることで相手に親近感や好意をもってもらおうという心理学のテクニックです。
会話するときの表情や声の調子を合わせるのはもちろん、趣味や服装などを真似ることで、相手に「私とあなたはよく似ているでしょう?相性ばっちりでしょう?
話も合うし、趣味だって同じなのよ」とアピールします。うまくいけば、相手はあなたに「運命」を感じてくれるでしょう。しかし、悪い方に転べば最悪の結果が待っています。
本来、ひとは真似をされることに嫌悪感を抱くからです。「真似ばかりしてうっとうしい奴」「媚びを売っているのバレバレなんだけど」「ここまできたらもうストーカーじゃん」このように思われてしまう可能性が大!
心理学とは相手の感情を逆なですることで、相手の気を引くのが基本のテクニックです。うまく利用すれば、相手の苛立ちや嫌悪感を好意に転じることはできます。
しかし、心理学の素人ではそううまくいくわけもありません。心理学を恋愛に利用しようとして、逆に相手に嫌われてしまうというのがオチです。
ボッサードの法則では人の気持ちは読み切れない!
心理学では、「相手を意のままに操る」という目的ともう一つ、「相手の気持ちを見抜く」という目的もあります。
相手が自分に好意を持ってくれているのかを心理学によって知ることができるのです。このとき、よく利用されるのが「ボッサードの法則」です。
ひとにはパーソナルスペースがあります。他人が自分のパーソナルスペースに入ってくることは、大きなストレスです。
しかし、相手が好意を持つ人であれば、パーソナルスペースに入ってきても気にならないばかりか、かえって「うれしい」と感じます。
この法則を利用することで、相手の気持ちを見抜くことができます。相手のパーソナルスペース(50cm以内)に入るのです。
相手に拒否されたり、相手が体を引いたりしなければ、相手はあなたに好意を持っている可能性大ということ。
しかし、この法則にも落とし穴はあります。まず、相手があけっぴろげな性格で、誰がパーソナルスペースに入ってきても頓着しない人の場合、あなたに好意を持っているとは言いきれません。
また、反対に相手がシャイだった場合、あなたの突然の接近に相手は思わず逃げてしまうでしょう。これは好意ゆえの反応ですが、
残念なことにボッサードの法則では、好意なのか拒否なのかを見抜くことはできません。このように心理学で恋愛の行方や成功確率を占おうとしても、心理学では人の心の奥底までは見抜くことはできないのです。
いかがでしたか。
以上が、心理学は意図的に恋愛に使わない方が良い理由と根拠についてでした。全てに共通していえることは、「心理学を恋愛に利用して成功すれば万々歳、しかし失敗したときの代償は大きいですよ」ということです。
相手が心理学の法則通りに動いてくれるとは限りません。また、心理学のテクニックだと見破られる可能性もあります。そうすると、相手のあなたに対する心証はぐっと悪くなります。
こうなると、もう取り返しはつきません。心理学を恋愛に利用しようという方、リスクをきちんと考えてくださいね。
心理学テクニックで遠まわしに気持ちを伝えるよりは、素直に告白した方が、同じフラれるにしてもまだ挽回のチャンスがありますよ。
まとめ
心理学は意図的に恋愛に使わない方が良い理由と根拠
・ ゲインロス効果、ギャップで百年の恋もさめるかも。
・ フットインザドア、ずうずうしい子と思われてしまうかも。
・ 嫉妬のストラテジー、片思いの相手に笑顔で祝福されるかも。
・ ミラーリング、相手からストーカー認定待ったなし!
・ ボッサードの法則では人の気持ちは読み切れない!