ワインボトルからワインの特徴を見抜くコツ

%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%9c%e3%83%88%e3%83%ab%e3%81%8b%e3%82%89%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%ae%e7%89%b9%e5%be%b4%e3%82%92%e8%a6%8b%e6%8a%9c%e3%81%8f%e3%82%b3%e3%83%84
ワインボトルには様々な形のものがありますよね。肩がしっかりあるもの、なで肩のもの、ちょっと太ったもの、スラリとしたものといった具合に。ボトルの色も、緑色や茶色、透明のものなどそれぞれ違いがあります。

これは、ワインを作っている醸造元がワインボトルを皆好き勝手に気に入ったものを使っているのではなく、ざっくりとしたルールがあり、それを元に使用されています。実は、ワインボトルの形状は、ぶどう品種、産地や味わいごとにほぼ同じような形のものが使われているといった特徴があるのです。

今回の記事では、ワインボトルの形や色を覚えておくと、ラベルが読めなくても、そのワインの産地や味わいを見分けることができる秘訣についてお伝えします。

 


 

ワインボトルから
ワインの特徴を見抜くコツ

 

ワインボトルの歴史

amphorae
まずは、ワインボトルの歴史を見てみましょう。ワインボトルの歴史は言うまでもなくワインの歴史と共にありますが、約6000年ほど前の新石器時代にはすでにワインが飲まれていた痕跡が見つかっています。

ガラス瓶のワインボトルが発明されたのは1650年頃、日本では江戸時代に当たります。それまではアンフォラと呼ばれる陶器の器で保存していましたが、ガラス瓶の普及により保存性が非常に高くなりました。またその頃から、醸造の技術も進歩してワインの品質が格段に向上したのです。
amphora
その後現在までの400年余り、ワイン全体の歴史に比べればたったの400年という短い期間ですが、その間には各国で様々なワインボトルの形が生まれました。
 


 

ワインボトルの形

さて次は、ワインボトルの形について見ていきましょう。国や地域によって様々な特色を持っていますが、大きく分類すると5つに分けることができます。

bordeaux-wine-bottle
ボルドー型:フランスのボルドー地域で使われている代表的なワインボトル。いかり肩の瓶が特徴です。
 
bourgogne-bottle
ブルゴーニュ型:フランスのブルゴーニュ地方代表のワインボトルで、なで肩が特徴。
 
alsace-bottle
アルザス型:フランスのアルザス地方で使われており、背の高い細身のワインボトル。
 

ライン型/モーゼル型:ドイツのライン地方(茶色)やモーゼル地方(緑色)で使用されている縦長のスリムな形のもの。
 
champagne-bottle
シャンパーニュ型:フランスのシャンパーニュ地方のワインボトル。スパークリングワインなど発泡性ワインに使用されるガラスが厚手のタイプ。

代表的なワインボトルの形は大体この5つになります。なお、ワインボトルの底にある凹みもボトルの製造元により少しずつ違いがあります。これはパント(キック・アップ)と呼ばれ、澱を溜めておくための工夫だと言われています。

 

ワインボトルの色

wine-bottle-color
ワインボトルには色の違いもありますよね。濃い緑色から淡い緑色、茶色や透明などがありますが、これはワインの性質に合わせてワインボトルの色が選ばれているのです。

透明のワインボトルは、白ワインやロゼワインなど長期熟成させないワインに使われています。ワインの鮮やかな色をそのまま見せることができるため、ビジュアル的に透明が選ばれることもあります。

緑色や茶色のワインボトルは、赤ワインなど長期熟成させるワインに選ばれます。なぜかというと、ワインは光が苦手なので、光や紫外線を通しづらい緑色や茶色のワインボトルを使うことで、光からワインを守っているのです。

 

ワインボトルの違いで味わいを見分ける

bottle-type
長期熟成タイプのぶどう品種が使用される赤ワインは澱が溜まりやすいので、グラスに澱が入り込まないようにいかり肩で受け止めるボルドー型ワインボトルが選ばれます。ぶどう品種で言うと、カベルネ・ソービニヨンやメルローなどが代表的です。

その逆で長期熟成タイプではないぶどう品種や澱が溜まりにくいワインは、なで肩のブルゴーニュ型が選ばれるのです。ぶどう品種はピノ・ノワールやシャルドネなどを多く使ったワインです。ブルゴーニュ型は、ワインボトルを箱に詰め込む際、頭と底を互い違いにして隙間なく運べる利点もあります。ブルゴーニュ産のワインは澱が少なく、ボルドー産のワインほど長期熟成を見込んで造られたのではないため、いかり肩の必要が少ないのです。

 

 

いかがでしたか。今回は、ワインボトルの形から、ワインの産地や味わいが分かる方法についてお伝えしました。

ワインボトルの種類は様々ですが、いかり肩をしているボルドー型は長期熟成タイプでしっかりしたコクのあるワインに使われます。反対に、なで肩のブルゴーニュ型は、渋みが比較的滑らかなタイプのワインに使われることが分かりました。この2つが主要なタイプですが、他にも、アルザス型やライン型/モーゼル型、シャンパーニュ型などがありましたよね。

あなたも是非、ワインボトルの形状からワインの味を想像してみましょう。今日は肉料理でスパイスの利いた熟成ワインが合いそうだと思った時には、知らない銘柄や産地だったとしても、「ボルドー型」のいかり型ボトルのワインを選んでみると、お料理にピッタリのものが見つかるかもしれません。

さあワインがあなたを待っていますよ!今日はどのワインで乾杯しましょうか。

 

まとめ

主なワインボトルの形とは
・ボルドー型:いかり肩で、長期熟成タイプのワインに
・ブルゴーニュ型:なで肩で、長期熟成させない軽めのワイン用
・アルザス型:背の高い細身の形、スッキリとした辛口
・ライン型/モーゼル型:縦長スリム形で、貴腐ワインが有名
・シャンパーニュ型:ガラスが厚手で、発泡酒向け


連記事
タイトルとURLをコピーしました