感情の起伏をコントロールする7つの習慣

感情の起伏をコントロールする7つの習慣
すごく調子が良くて幸せを感じていても、突然落ち込んだり、怒りっぽくなったり不安になったりと、感情の起伏が1日の中でも1週間の中でも1か月の中でも…何度でも訪れることがよくありますよね。

もちろんそれは、順風満帆に見える人でも、常にニコニコしている人でも、お金持ちの人でも、健康的な人でも、すべての人に訪れるもの。自分一人だけが感情の起伏という波の中で生きているわけではありませんので、安心してください。

しかしそうは言うものの、良い事ばかりが起きて、いつも楽しく過ごしたいものですし、できれば暗くてイヤな気持ちにはなりたくないものですよね。

そこで今回は、ネガティブな感情の起伏が訪れた時でも、またすぐに元気さを取り戻してハッピーになることができる、そんな習慣をお伝えします。

 

 

感情の起伏をコントロールする7つの習慣

 

§1 泣きたい時はしっかりと泣く

泣きたいときはしっかりと泣く
嬉しい時や悲しい時、感動したときなど、感情の起伏とともに自然と涙があふれ出てくる時ってありますよね。

その「感情の涙」はとても大事なもので、自分の体にとって必要になったから流れ出るもの。それを我慢して体の中に溜め込んでしまうと、後でもっと大きなネガティブの感情の起伏が訪れたり、最悪の場合は「うつ病」になってしまいますよ。

感情の涙はストレスホルモンと深く関わっていて、私たちにストレスがかかった時、様々なストレスホルモンが血液中に増えますが、感情の涙を流すことにより、そのストレスホルモンも一緒に洗い流してくれるのです。

涙を見せることが恥ずかしいからといって、悔しい、悲しいという場面でも泣かずに耐えていたのでは、どんどんとネガティブな感情が膨れ上がって、さらに良くない感情の起伏が訪れてしまいますので、泣きたい時はしっかりと泣いて、体をヒーリングしてあげましょう。

 

§2 時々鏡を見てほほ笑む

時々鏡を見てほほ笑む
「幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せなのだ」(by.ウイリアム・ジェイムス 心理学者・哲学者)という言葉があるように、私たち人間は、笑うとウキウキと楽しい感情の起伏が訪れるようにできています。

それは、「作り笑顔」でも効果があって、意識して顔の筋肉を「笑顔の形」にしただけでも、自然に笑顔になった時と同じ感情の起伏が表れるのですよ。

なぜかというと、私たちは笑顔になると快楽物質である「ドーパミン」が脳の中に放出されて、元気のスイッチが入るからなのです。

よく、「自分には無理かも…」と思っていたことができた時、「やったぁ」と達成感を得ることができることがありますよね。その時に最も出ているのがドーパミンで、「作り笑顔」をしただけでもドーパミンは出てくれるのです。

また、鏡に映った自分の顔を見ると、少し感情の起伏を和らげて冷静さを取り戻すこともできますので、イヤな気分になった時は、鏡を見ながら少しばかりほほ笑んでみましょう。

 

§3 悩みはいったんそのままにしておく

悩みはいったんそのままにしておく
一度問題を解決したらまた次の悩みが出てきて、そのことを考えているうちにまた別の悩みが出てくるということはよくあること。そして、悩みばかりに目を向けていると、不安になったり、落ち込んだり、焦ったりと、良くない感情の起伏の中にどっぷり浸かってしまうことになりますよね。

そのように、ずっと悩みを考えていてはストレスばかり増えていき、常に混乱した状態になって、いつもネガティブな感情の起伏の中に居続け、何をやっても楽しく感じられなくなってしまいますよ。

なぜならば、私たちの脳の情報処理能力は限られていて、あれもこれもと、マルチタスクやマルチシンキングはできない仕組みになっているからです。

よく、テレビやスマートフォンを見ながらご飯を食べると、食べ物を喉に詰まらせたり、美味しく感じられなくなったりすることはありませんか。そんな時、頭の中では「右を見ながら左を見ようとする」という、俗に言う「テンパった」状態になっています。

悩みばかりに目を向けたまま他のことをやろうとすると、頭がテンパってしまい、いつまで経ってもネガティブな感情の起伏から抜け出せなくなってしまうのです。

悩みの問題解決を探すことも大切ですが、どうしようもなく壁が大きいと感じた時は、いったんその悩みはそのままにしておき、一段ずつ階段を上るように、まずはクリアできそうなことから少しずつ取り組んでいきましょう。

 

 

§4 1日15分、本を読む

1日15分、本を読む
不安や悩みといったネガティブな感情は、いったいどこから来るのでしょうか。

その答えは私たちの脳にあって、脳の一部である「偏桃体」(へんとうたい)というところが、感情の起伏と深く関わっていることが分かっています。

もし、偏桃体が興奮状態になった時、『幸せいっぱい!読書7つのメリット』でもお伝えしたとおり、不安やストレスを感じやすくなって、落ち込みやすくなってしまうのです。

その、偏桃体の興奮状態を解消するのに良い方法が、実は読書。言語情報が脳に入ってくると、偏桃体の興奮状態が収まって、ネガティブな感情が和らぐのですよ。

そしてそれは、数十分で効果がありますので、「1冊本を読まなきゃ!」とは思わずに、自分が好きなジャンルの本を気になるページの部分だけ、15分くらい読むと、なんだかスッキリした気分になることでしょう。

 

§5 目を閉じて5分間深呼吸する

目を閉じて5分間深呼吸する
目を閉じて深呼吸…つまり「瞑想」をすると、脳の中にメラトニンやセロトニンなどの体を回復してくれる物質の量が増え、反対にコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンが減り、荒々しい感情の起伏が過ぎ去って、リラックスした状態を取り戻すことができます。

また、瞑想をすることにより、自分は今どんな気持ちなのか、どんな感情の起伏の中にいるのかを客観的に見ることができるようになりますよ。これを「メタ認知」といいますが、メタ認知をすることにより、心を落ち着かせて、今までよりも冷静になることができるのです。

瞑想は、「目を閉じる」、「空気を鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く」、「胸式ではなく腹式呼吸」の3つを抑えれば、座禅でも正座でも椅子座ってもどのような状態でもOKですので、自分がやりやすい方法で実践しましょう。

冷静になりたい時は、ぜひ5分間だけ目を閉じて深呼吸をしてくださいね。

 

§6 とにかくたくさん眠る

とにかくたくさん眠る
「睡眠」は、一番手っ取り早く簡単に体の機能を回復することができる、完全無欠のヒーリング方法です。

特に、夜10時から明け方3時までの間のゴールデンタイムには、成長ホルモンが分泌されて体が「超回復」する時間帯。この時間を狙ってたくさん眠ると、心も体も完全回復しますよ。

とある実験で、3日間寝ずに起き続けた男性がいましたが、2日過ぎたあたりから無気力やイライラなどのネガティブな感情の起伏しか訪れなくなり、何をやっても何を食べても楽しさを全く感じられなくなりました。

3日目を過ぎようとしたときに、脳の血管に異常が見られ、これ以上は危険と判断されたため、実験はこれにて終了。この男性は、元の状態に戻るまでに、1週間以上もの時間を費やしました。

また、十分な睡眠をとらないまま運転すると、酒気帯び運転しているのと同じ能力になってしまうとも言われています。

このことや先の実験からも分るように、睡眠はとても大切なもの。最適な睡眠時間は人それぞれですが、「病気は薬ではなく寝て治せ」という言葉通り、疲れた、だるい、やる気が出ないなどのネガティブな感情も寝て治すことができますので、心身ともに疲れ果てている時は、とにかくたくさん眠って、超回復しましょう。

 

§7 たまには一人でボーっとする

たまには一人でボーっとする
私たちが言葉を話したり、箸でご飯を食べたり、服を着替えたりできるようになったのはなぜでしょうか。

それは、私たち人間には「ものまね細胞」が備わっていて、意識していなくても勝手に、他人をマネして自分のものにするという学習能力が備わっているからなのです。

よく、明るく元気な人と一緒にいると自分もハッピーになりますが、暗くては気がない人を見ると自分までイヤな気持ちになることってありますよね。

つまり、私たちは無意識のうちに、良いことも悪いことも、絶えず誰かの影響を受けながら自分というオリジナルを作っているのです。

そして、常に誰かと一緒にいて影響を受け続けていると、色々な感情が自分の中に入ってきて、その部分はコントロールできないので、いつの間にか疲れてしまうということなのですね。

そんな時は、できれば1日、無理であれば半日でも数時間でも、テレビもスマートフォンもゲームも読書も何もしない一人の時間を作って、体をヒーリングさせましょう。

山や海、川、公園、神社など、一人になることができるスポットを見つけて、何もせずにただボーっとしているだけで、他人から受けた感情の起伏はすっかり去り、ポジティブな自分に回復することができますよ。

また、パソコンやスマートフォンなどからの電磁波が、心や体に悪影響を及ぼしている場合がありますので、一人でボーっとする際に、できれば裸足になって地面に「接地」し、体に溜まった電磁波を流してあげるとより効果的です。

 

■ 編集後記

大切なことはいかにヒーリングで元気さを取り戻すか

 
私たちの体は、常に元に戻ろうとして毎日回復しているんですよね。それを自然治癒力というんですが、私たちはたいていの場合、ちょっと調子が悪いからといって、すぐに薬を飲んだり、調べ物をして極端にそれを試したりしてしまう…それって、体にとっては逆に邪魔になっていて、実は具合が悪い事の方が多いんですよ。

心と体はつながっていることが多いので、「なんかちょっと調子が悪いなぁ」と感じたら、とにかく体を休ませてあげる、すると、自然治癒力で感情も一緒にだんだんと回復していくんです。

例えば何かスポーツをしたり筋トレをしたりして体を動かすと、どこかが筋肉痛になって体が疲れるじゃないですか。その筋肉痛を無視して体を動かし続けると、体が鍛えられるどころが、回復が間に合わなくなって反対に弱くなっていくことは、誰にでも想像できますよね。

心も体も疲れた時は、がむしゃらに動こうとはせず、しっかりと休息をとってヒーリングする。そのヒーリングによって超回復し、今までよりも強くなってくれることもあるんです。

物事には必ず「陰」(いん)と「陽」(よう)があるので、ポジティブですごく調子が良い時もあれば、ネガティブでとても落ち込みやすい時もあるのは当たり前のこと。大切なことは、それらを否定せずに、調子が悪いと感じたらどのような方法だと無理をしないヒーリングになるかを考え、回復する措置をとることなんですよ。

そのヒーリングは、もしかしたら笑うことかもしれないし、泣くことかもしれないし、何も考えずにボーっとすることかもしれない、その時によって、さらには人によってヒーリングの仕方は違うかもしれませんが、今回お伝えした習慣は、誰にでも当てはまることなんです。

ネガティブな感情の起伏が訪れた時、またすぐに元気さを取り戻してハッピーになるためにも、今回お伝えした7つの方法を習慣化して、パワフルな自分を手に入れましょう!

 

おさらい

感情の起伏をコントロールする7つの習慣

1 泣きたいときはしっかりと泣く
2 時々鏡を見てほほ笑む
3 悩みはいったんそのままにしておく
4 1日15分、本を読む
5 目を閉じて5分間深呼吸する
6 とにかくたくさん眠る
7 たまには一人でボーっとする

◆参考文献
・『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』 2015.7 枝川義邦 明日香出版社
・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』 2016.1 トキオ・ナレッジ (株)宝島社
・『結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方』 2015.5 茂木健一郎 (株)学研パブリッシング
・『成功脳と失敗脳』 2015.12 茂木健一郎 総合法令出版(株)
・『もっと結果を出せる人になる!「ポジティブ脳」のつかい方』 2016.5 茂木健一郎 (株)学研パブリッシング
・『頭は「本の読み方」で磨かれる』 2015.7 茂木健一郎 (株)三笠書房
・『営業の魔法 この魔法を手にした者は必ず成功する』 2009 中村信二 (株)ビーコミュニケーションズ


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