休眠口座持ってない?自分や親の財産が手にできないケースも

休眠口座大丈夫?親の認知症・相続のために知っておきたいこと

皆さんは銀行口座開設するとき、一生そこの口座を使うと決めて口座を開設するでしょうか。会社から銀行が指定されて給与振込口座を開設した、近くにあって便利だから作ったなど、「とりあえず」的な口座をお持ちだと思います。最近では、ATMの引き出し手数料無料だからとか、振り込み手数料が○回無料だからなどという理由でネット銀行を開設する人も多くいます(かくいう私もそのひとりです)。

ところが、それらの口座も使わなくなることがあります。その口座をそのまま放置しておくと「休眠口座」になってしまいます。

もし、自分や自分の親が高額な残高のある通帳の存在を忘れていて、家族がその存在に気付かなかったらどうでしょう。そのお金を手にすることができないかもしれません。

今回は、放置されている口座に関する手続きや対策についてお伝えしていきます。

 

休眠口座持ってない?自分や親の財産が手にできないケースも

 

 

休眠口座とは

金融機関に預けられてから一定期間動きがなく持ち主も現れない口座を「休眠口座」といいます。一定期間とは、取引がなくなってから5年または10年間で、銀行は5年、信用金庫などは10年です。

休眠預金の総額は定かではありませんが、毎年1000億円程度発生しているといわれています。そのうち預金者から申し出があって払い戻されるのは、400億~500億円程度。つまり、眠ったままの預金は500億~600億円位ある計算です。

休眠口座になったからといってその口座(預貯金)が没収されるわけではありません。休眠口座になっても、期間制限なく払い戻しには対応してくれます。ですが、必ずしもではありません。りそな銀行や民営化前の郵便貯金は扱いが違います。(独自のルールを定めている銀行は他にもあります)

 

預貯金がなくなってしまうことも

りそな銀行は、2004年4月1日以降に新規開設した普通預金口座で、最後の入出金から2年以上動きがなく預金残高が1万円以下のものは休眠口座として取り扱います。だからといって2年以上動きがないだけで勝手に休眠口座にしたりはしません。届け出ている住所に文書を通知しても相変わらず動きのない口座を対象にしています。

りそな銀行は、休眠口座の対象になった口座から、休眠口座管理料として年間1200円を引き落とします。そして、引き落としができなくなったら自動的に口座が解約となります。ちょうど1万円の預金残高があったとしたら、9年たったら解約になる計算です。

それよりも、民営化前(2007年9月30日以前)の郵便局は注意が必要です。その対象になるのは、定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金で、満期になってから20年間払い戻し請求がないものです。

郵便局もりそな銀行と同様に、届け出の住所地に文書で通知します。そして、そのまま払い戻し請求がされない場合には、2か月後に権利が消滅します。つまり、この場合だけは「没収」ということになり、お金が戻ってくることがありません。

郵便局の口座でも、通常郵便貯金や通常貯蓄貯金は10年で休眠口座になるものの、払い戻しの請求はできます。ですが残念ながらこちらも同様に、20年と2か月が経過すると権利が消滅し、戻ってこないお金になってしまいます。

 

休眠口座が増えている理由

冒頭でもお伝えしましたが、口座をつくってもその後使わなくなってしまうことはあるものです。例えば、

  • 転職したために今までの給与振込口座を使わなくなった
  • 引っ越しにより銀行が近くになくそのまま利用しなくなった
  • 結婚後名字が変わったため利用しなくなった
  • 通帳・印鑑・キャッシュカードなどの紛失により放置していた
  • 親が子ども名義で作ったものがそのまま放置れている
  • 認知症の人の身内が預金の存在に気づかなかった
  • 相続のときに発見されずそのまま放置されてしまった

など理由はさまざまでしょう。しかも、数百円程度しか入っていない口座もあり、それをわざわざ解約しに行くとなると交通費の方が高いからとりあえず放置という口座もあるものです。しかも、古い昔の通帳で、今のどの銀行だったかしら?というような口座を持っている人さえいます。

そのような人は、りそな銀行のように少額残高の口座を解約してくれるなら「ありがたい」と思う人だっているはずです(実は私もそのひとり)。

 

どのような対策をしておくべきか

少額な残高ならともかく、多額な残高があっても、民営化前の郵便貯金などのように払い戻しができないこともあります。払い戻しできる期間であったとしても、残高の多い口座があることすら気付かないこともあります。

そもそも休眠口座にしないためには通帳に動きがあればよいので、1000円入出金してみるなどすれば休眠口座にはなりませんもし休眠口座になってしまったとしても、払い戻しには応じてくれますので、気付いた時には手続きをすれば大丈夫です。

通常は、金融機関から郵便物で連絡が来ますが、引っ越しなどにより届かず、知ることができないこともあります。引っ越しする都度、金融機関で住所の変更をする人はそう多くありません。しかし、重要な郵便物が届く可能性もありますので、住所変更はしておくことが望ましいものです。

それも意外とわずらわしいものなので、やはり使わない口座は解約してしまうのがベストです。解約する際には直接窓口で行いますが、場合によっては同じ支店でなければできないこともあります。そのようなときには、近くの銀行の支店からから口座開設した支店へ取立をしてもらう「代金取立」の手続きで行うことができます。

この代金取立には、600円~1000円(税別)程度の手数料や簡易書留等の料金がかかりますが、交通費をかけて遠方に出向くことを考えれば、メリットは十分にあります。金融機関によって手続き方法が異なるため、行う際には銀行に確認してからおこなうのが無難です。

 

合併前の銀行、旧姓の口座

金融機関が相次いで合併したこともあり、旧銀行名の口座を持っている人もいるのではないでしょうか。その場合には、合併後の銀行窓口に行って解約したり新しい通帳等に変えてもらう手続きをすれば大丈夫です。参考までに、合併後の銀行名の一覧をお知らせしておきます(Wikipedia:「都市銀行のあゆみ」)。

その際にはあらかじめ、金融機関に「どのような変更をしたいのか」を伝え、必要な書類や手続きできる窓口を確認してから行うとスムーズです。

なお、結婚して名字が変わっている場合は、金融機関により必要書類などが違うこともありますが、基本的に以下のようなものが必要になります。

  • 通帳や証書、キャッシュカード
  • 届け出印(旧姓の印)
  • 現在の姓の印(解約しない場合は新しい銀行印)
  • 旧姓(改姓前)と現在の姓(改姓後)の名前がわかる公的書類(戸籍謄本や抄本など)

 

認知症になってしまったら

もし認知症になってしまった場合、その親自身では口座解約や住所変更などの手続きができなくなってしまいます。金融機関の窓口で本人確認や書類記入などがあるため、本人でなければできないからです。

つまり、認知症になってしまうと、さまざまな手続きができなくなってしまう可能性があるということです。

親族が変わって手続き等を行いたい場合には、家庭裁判所に成年後見人等を選んでもらい、その後見人等が本人の代理人として手続きを行うことはできます。

しかし何よりも、通帳の存在自体を認知症の本人がわからず、どこにしまったのか、そもそも通帳があるのかがわからなくなってしまうことが問題です。引っ越ししたときに移転先を金融機関に届け出なかったために、金融機関からの通知が届かず、結局誰も気付かないことがあります。

どこに通帳があるのか分からないまま相続になると、タンスや仏壇の中、冷蔵庫、食器の間や服の間など、家探しして見つけることになりかねません。

 

相続手続きで困ることも

休眠口座に気付かず、そのまま没収状態になってしまうケースは現実的に多くあります。だからこそ、毎年億単位の休眠預金残が増えているわけです。仮に金融機関が気付いていたとしても、金融機関があえて口座の存在を伝えることはありません。遺族が自分で口座の存在に気付かなければならないのです。

また、相続手続きが終わったのちに休眠口座を見つけた場合、再度相続を行わなければなりません。金融機関所定の用紙に、相続人全員の署名等が必要になり手間もかかります。もし、相続人が既に死亡していた場合にはもっと面倒です。

気付かずに相続税の申告・納税をしたのちに、休眠口座の存在を知った場合には、再度休眠口座分の財産を加算して相続税の修正申告をしなければなりません。

 

自分の通帳を再度確認し、解約したり住所変更するなど、整理しておくことは必要ですね。

 

まとめ

  • 休眠口座とは、5年もしくは10年間動きがなく連絡の取れない口座をいう
  • 一部の金融機関を除いては、休眠口座になったとしても、いつでも払い戻し請求できる
  • 民営化前の郵便局の定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金は、満期後20年と2か月経過すると権利が消滅する
  • 残しておきたい口座は、たまに入出金する
  • 不要な通帳は解約する
  • 持ち続けたい通帳の住所が変更している場合は、住所変更しておく
  • 口座開設した支店が遠い場合には、近くの支店から「代金取立」して口座解約することもできる
  • 手続きする際には、金融機関に連絡して必要書類等を確認してから行う
  • 自分の持っている通帳を把握し、残金を確認しておく

 


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