高級シャンパンの「ドン・ペリニヨン」という名前は、お酒好きな人もそうでない人も一度はその名前を聞いたことがありますよね。世界中でとても有名ですし、人気もあります。
高級シャンパンのドン・ペリニヨンは、フランス北部、パリから東に150キロほどの場所にあるシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインです。安定した生産量を誇り、世界各国の晩餐会で振舞われているシャンパンの多くは、このドン・ペリニヨンなのです。
夜のクラブなどでシャンパンタワーに注がれて使用されているためとても派手なイメージがありますが、実はとても繊細な果実の香りと味わいで気品があり、一口飲んだだけで人々を魅了します。
フランスのシャンパーニュ地方でとても厳しい基準をクリアーしたスパークリングワインだけが、シャンパン(シャンパーニュ)と言う名称を名乗ることができるのです。今回は、その中でもシャンパンの女王と称される高級シャンパンのドン・ペリニヨンの魅力をお伝えします。
ドン・ペリニヨンの歴史
まずは、高級シャンパン、ドン・ペリニヨンの歴史を見ていきましょう。メゾン(生産元)は、シャンパーニュ地方エペルネにある「モエ・ド・シャンドン社」、1743年創業で老舗中の老舗です。
モエ・ド・シャンドンは、高級シャンパン、ドン・ペリニヨンの他にも世界中で目にする「モエ・エ・シャンドン」「モエ・アンペリアル」など数々の有名なシャンパンを世界中へ輸出し、ベストセラー・シャンパーニュとして君臨しています。
ドン・ペリニヨンという名前は、もともと17世紀のヴィネディクト派修道士の人名「ドン・ピエール・ペリニヨン」から名付けられました。彼がワインが瓶の中で再発酵し泡ができているのを見つけ、シャンパンを考案した人物の一人ともいわれています。
1797年から、ドン・ピエール・ペリニヨンが一生を捧げた修道院とぶどう畑を所有。1930年にメルシエ社から商標権を入手し、1935年からドン・ペリニヨンが世に送り出されることになりました。
人物「ドン・ピエール・ペリニヨン」の魅力
さて、高級シャンパンのドン・ペリニヨンは人名から名付けられていますが、名前が使われるほどの人物とはどういう人だったのか気になりますよね。
その人物は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のオーヴィレール村にある修道院で、数々の改良を成し遂げてシャンパンの品質を向上させるのに多大な貢献をした人なのです。
たとえば、質の高いワインを造るために、古樹から採れるぶどうを中心に使用することにしました。1本の樹に対して剪定を厳しく行い、ぶどうの収穫量を抑えることによって1房1房にしっかりと栄養分が行き渡るようにします。
また、以前は日中に収穫していたのですが、ミネラルが分解されない早朝に切り替えて、よりフレッシュな状態で収穫するようにしました。収穫後、なるべく畑の近くでプレスをして果汁を絞る方式に変更したり、泡に耐えられるイギリス製の丈夫な瓶を探し出すということも行いました。
このようにありとあらゆる方法で、現代に通じる技術をすでにこの時代に駆使していたのが評価されているのですね。ドン・ピエール・ペリニヨンは、類稀なる鋭敏な感覚の持ち主で、テイスティングで全ての畑の所在を言い当てたとも言われ、シャンパンの父と尊敬されています。
村の位置とテロワール、特殊製法
高級シャンパンのドン・ペリニヨンは、フランス北部にあるシャンパーニュ地方、シャルドネの聖地と呼ばれるコート・デ・ブランにあるシュイイ(Chouilly)という村で造られています。畑はこの村で最上区画といわれ「サランの丘」と呼ばれています。
そして、この丘の畑のほとんどをモエ・ド・シャンドン社が所有しています。そこから採れるぶどうの大部分をドン・ペリニヨンに使用。
他の産地に比べてシャンパーニュのテロワールは、特に緯度が高く北に位置しています。大陸性気候と大西洋気候の両方の特徴を持っているため、気温は低いですが1年を通じて変化が少なく、夏期には程よい日照時間もあり、降水量も安定していてぶどう栽培には最適な量となります。
地下層は、水はけの良い石灰質なためシャンパーニュの土壌しかないミネラル分を吸い上げることができるのです。
ドン・ピエール・ペリニヨンを確立させた製法にも細部にまで及ぶこだわりがあります。ぶどうは傷をつけないように全て手積みでの収穫。収穫後は、フレッシュな状態を保つためすぐに圧搾を行なっています。
高級シャンパンを造る条件を満たしている最高のテロワールと、造り手の情熱がある製法だということがわかりますよね。
さて今回は、世界中絶賛の高級シャンパン!ドン・ペリニヨンの魅力をお伝えしました。ドン・ペリニヨンは、シャンパン愛好家はもちろん、様々な人たちを魅了します。海外では「DP」で通じるともいわれています。
シャンパン造りには、天候はもちろん、地形を含む土壌そして造り手がとても重要と言われていますね。その中で、どれを1つ取ってもシャンパンの品質を大きく左右します。
シャンパーニュという名称をつけるには、出荷までに最低15ヶ月間、瓶内で熟成させなければいけないという法規があります。しかしドン・ペリニヨンは84ヶ月(7年間)熟成を行うという独自ルールを設けているのです。15ヶ月でも管理が大変なのに84ヶ月ですから、とてつもないこだわりが感じられます。
ぜひ世界中が絶賛する高級シャンパンのドン・ペリニヨンで、あなたも最高の時間を過ごしてくださいね。
さあ、ワインが待っていますよ。今日はどのワインで乾杯しましょうか。
まとめ
高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」の魅力とは
・メゾンは1743年創業の老舗「モエ・ド・シャンドン社」
・シャンパーニュ地方の発展に貢献した人物「ドン・ピエール・ペリニヨン」に由来
・最高のテロワールと造り手の情熱がある