仕事効率化にマルチタスクはNGだった?!その理由と解決策

仕事効率化にマルチタスクはNGだった?!その理由と解決策
近代では、色々なことを同時に行うマルチタスクが増えてしまっていて、その結果、仕事が効率化されずに、社会の生産性が下がってしまっています。

一見、様々な仕事を同時にこなす人はできる人と思えますし、カッコ良く見えますが、実は、マルチタスクをすると仕事が効率化されるどころか、逆に能率が悪くなってしまうのです。

そうは言っても、現代社会は情報過多でやらなければいけないことが増えてきていて、マルチタスクをしないと間に合わないことも多いですよね。

そこで今回は、マルチタスクが仕事の効率化にならない理由と、仕事の効率化を目指すための解決策についてお伝えします。

 

仕事効率化にマルチタスクはNGだった?!その理由と解決策

 

マルチタスクが仕事効率化にならない理由

① 脳は一度にたくさんのことを処理できない

脳は一度にたくさんのことを処理できない
私たちの記憶力は、膨大な情報を記憶できるポテンシャルを持っている一方で、脳内には作業スペース、すなわちワーキングメモリがあり、一度にたくさんのことを行おうとすると、すぐにオーバーフローを起こしてしまいます。

例えば、今すぐにやらないといけない仕事が何十件もあった場合、平常心を保てず、焦ったりパニック状態に陥ったりしますよね。

このような状態を「テンパる」と言いますが、これはワーキングメモリが不足している状態で、パソコンでいうところのメモリ不足と同じです。

つまり、一度にたくさんのことを行おうとするとテンパった状態となり、パソコンのように動作が不安定になって反応が鈍くなったり、フリーズしてしまったりして、仕事が効率化できなくなってしまうわけですね。

 

② マルチタスクは脳のギアチェンジにより余分にエネルギーを消耗する

マルチタスクは脳のギアチェンジにより余分にエネルギーを消耗する
同時に2人に別のことを話せないのと同じように、私たちは100%同時に物事を進めることはできません。

マルチタスクをすれば並行して仕事をこなしているように見えますが、実は、同時にこなしているわけではなく、細かくギアチェンジしていて、そのギアチェンジの瞬間にものすごく摩擦が起きるので、必要以上にエネルギーを消費して疲れてしまっているのですよ。

つまり、マルチタスクは1つずつの物事を交互にこなしているだけで、シングルタスクの時よりもエネルギーを消費してしまい、仕事が効率化されずに能率が悪くなって、余分に疲れてしまうということなのですね。

 

③ 人は集中するのに20分かかる

仕事効率化には、脳がとてもリラックスしている状態にもかかわらず、最高のパフォーマンスを発揮し、没頭して取り組むことが必要です。

この状態を「フロー状態」といいますが、フロー状態になると、ドーパミンやβエンドルフィンといった脳内物質が分泌されて、クオリティの高いパフォーマンスを上げることができ、仕事が効率化されるのですよ。

私たちが仕事に取りかかり、エンジンがかかってきて完全にフォーカスしてフローに入るために約20分かかります。

例えば、2時間(120分)仕事をするとなると、最初の20分はエンジンを温めてウォームアップに時間がかかりますが、残りの100分はハイクオリティで仕事ができるわけですね。

しかし、もし途中でタスクを変えて別のことをやりだしてしまったら…そこでまた20分失うことになって、80分しかハイクオリティの仕事ができなくなりますし、さらにまた別のことをやりだすと、またまた20分失って、2回タスクを切り替えただけで2時間のうち1時間(最初の20分+20分×2回)失うことになってしまうのです。

仕事効率化のためにも、一度集中し始めたら、途中で別の仕事をやって集中力を切らすことは避けたいですよね。

 

 

仕事効率化のための解決策

Ⅰ 考えを常に紙に書き出して忘れる

2つ以上のことを考えただけ、すなわち「マルチシンク」をしただけでも脳のギアチェンジは行われ、エネルギーを消耗して能率が悪くなってしまいます。

「今から電話しないといけない」、「〇時から会議だ」、「午前中に印刷を終わらせておかなければ」などと頭の中に色々な考えが飛び交っていると、すぐにワーキングメモリがいっぱいになり、テンパってしまうわけですね。

そうした状態を解決して仕事を効率化するためには、「紙に書いてそのことを頭から消し去る」ことです。

どのようにして紙に書いてもかまいませんが、ToDoリストにしたり、付せんにメモしたりして、「後でその紙を見る」ということだけ記憶し、今の仕事に集中すると、仕事の効率化ができるでしょう。

 

Ⅱ いつもと同じ行動を心がける

新しい事や難しいことに取り組んでいるときは、脳が活性化されて集中できたとしても、ものすごくエネルギーを消費して脳が疲れます。

そして、更に色々なことを同時に行おうとすると、余計にテンパってしまって、仕事が効率化されなくなってしまうのです。

そうならないためにも、毎日、同じ行動をとるようにしましょう。何度も同じルーティンをやることで脳に負担がかからないようになり、心が落ち着いてきますよ。

仕事の内容は毎日変わるかもしれませんが、例えば、午前中はプロジェクトのための仕事を行い、午後一番にメールチェックやお客様のアポ取り、夕方は書類の整理をする、などのように、一日の流れを決めてしまって習慣化すると、余計なエネルギーをかけず、仕事がはかどります。

 

Ⅲ フロー状態に入る

フロー状態に入る
③でお伝えしたように、フロー状態になると最高のパフォーマンスを発揮して、仕事の効率化が図れます。

「次に何をやろうか」という疑問が集中力を妨げる原因になりますので、「これが終わったら次はこれ」というような工程表やToDoリストを作成すると、目の前の仕事に集中することができますよ。

フロー状態になるためには初めの20分が大事で、ハイクオリティな仕事をするためにもマルチタスクは行わず、1つのことに集中して取り組みましょう。

 

Ⅳ 適度に休憩する

『仕事効率化のために知っておきたい6つのこと』でお伝えしたように、私たちには様々な体内時計が備わっており、それに従って行動すると仕事が効率化できます。

私たちの集中力が持続する時間は、約2時間が限界ですので、いくらフロー状態に入って集中できていたとしても、2時間以内に1回、10分くらいの休憩を取るように心がけましょう。そうすれば、エネルギーを途中で補うことができ、最後まで集中して仕事に取り組むことができますよ。

 

Ⅴ あえてマルチタスクをする時間を作る

あえてマルチタスクをする時間を作る
「マルチタスクは一切やるな」となると、やることが処理しきれずに次々と後回しになり、結構つらいものがあります。

そこで、例えば午後4時から5時までは、メールも電話もネットサーフィンも書類整理もなんでもやってOKという時間にしてしまい、それ以外は1つずつのことに取り組むと決めると、1日集中して仕事ができるでしょう。

 

Ⅵ 明日やることをリスト化してイメージする

毎日、同じ行動をとって習慣化すれば、脳の負担が軽くなり、効率よく仕事をこなすことができますが、毎日同じルーティンをできないこともありますよね。

そんな時は、帰り際に、明日やるべきことをToDoリストにして、一日の仕事の流れをイメージしておくと、次の日、集中してスムーズに仕事をすることができますよ。

一日集中力を切らさずに仕事の効率化を図るためには、朝のスタートダッシュが大事ですので、前の日にやるべきことを整理してイメージしておくと効果的でしょう。

 

■編集後記

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

少し前までは、マルチタスクをすると脳が活性化されてやる気が出てくる気がして、仕事の順番を整理することはせず、1日中色々なことをやっていましたが、よくよく考えると、すぐに疲れていましたね。

1日のサイクルで見ても、夕方にはほとんど集中力が切れていましたし、週末はもうぐったりって感じでした…反省。

でも、マルチタスクを完全に避けることはできないため、昼休憩に入るまでの30分間と、午後4時以降はマルチタスクをすると決めています。そうすると、他の時間帯は自然と集中して、目の前の仕事に取り組むことができることに気づきました。

フローに入って集中しているときは、仕事が効率化されているとは感じませんが、集中力が切れた後に、ものすごく仕事がはかどったって気づきます。そして、少し休憩してエネルギーを補給した後に、「よっしゃ!もう一丁やるかっ」という感じですね。

このように、一日集中して仕事に取り組めたときは、気分がスッキリしているせいか、夜もぐっすり眠ることができます。逆に、ダラダラと仕事をしてしまう日もあって、そんな時は寝ても疲れが取れませんし、元の状態に戻るまでに何日もかかってしまうんですよ。

仕事を効率化するため、強いては社会の生産性をアップさせるためにも、シングルタスクをする時間とマルチタスクをする時間とを切り分け、フロー状態になって仕事をすることを心がけたいですよね。

 

おさらい

仕事効率化にマルチタスクはNGだった?!その理由と解決策
・マルチタスクが仕事効率化にならない理由
① 脳は一度にたくさんのことを処理できない
② マルチタスクは脳のギアチェンジにより余分にエネルギーを消耗する
③ 人は集中するのに20分かかる

・仕事効率化のための解決策
Ⅰ 考えを常に紙に書き出して忘れる
Ⅱ いつもと同じ行動を心がける
Ⅲ フロー状態に入る
Ⅳ 適度に休憩する
Ⅴ あえてマルチタスクをする時間を作る
Ⅵ 明日やることをリスト化してイメージする

◆参考文献
・『覚えない記憶術』 2016.1 樺沢紫苑 (株)サンマーク出版
・『成功脳と失敗脳』 2015.12 茂木健一郎 総合法令出版(株)
・『結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方』 2015.8 茂木健一郎 (株)学研パブリッシング

 


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