休むことなく仕事を続けていると、「疲れた」や「頭がぼーっとする」、「ストレスが溜まってきた」などと感じてしまい、集中力が切れて効率が悪くなってしまいますが、休息をうまく取り入れることにより、仕事の効率化を図ることができます。
仕事を効率化するためには、私たちに備わっている体内時計のことを知り、どのタイミングでどのくらい休息をとるべきか考えることが大切なんですよ。
時間生物学では、その体内時計を「ウルトラディアンリズム(数時間単位)」、「サーカディアンリズム(日単位)」、「サーカルナリズム(月単位)」、「サーカニュアルリズム(年単位)」の4つに分けて考えます。
そこで今回は、ウルトラディアンリズムに注目し、仕事を効率化するために欠かせない、体内時計の仕組みや仕事の取り組み方、さらには休息の取り方についてお伝えします。
仕事効率化のために知っておきたい6つのこと
導入編
①仕事効率化のためには「フロー」に入ることが大事
仕事効率化のためには集中力を持続させることが必要で、完全に時を忘れてすべてをそこに没頭するというフロー状態になった時に、効率よく仕事をこなすことができます。
フローに入るためには、自分のスキルとチャレンジするレベルを一致させる必要があり、レベルが低すぎても高すぎてもフロー状態になることはできません。
なぜかというと、チャレンジするレベルが低すぎると簡単すぎて退屈になり、逆に高すぎるとストレスを感じて逃げ出したくなってしまうからです。
例えばスポーツをするとき、相手のレベルが自分と同じくらいか少し強いくらいだと、プレイ時間中にドーパミンがドクンドクンと出て夢中になり、体が痛いとか疲れたなどということにも気づかずに、集中してプレイすることができますよね。
フロー状態のまま仕事に取組んで効率化するためには、まず、重要度が高い仕事からこなしていきましょう。
さほど緊急性がなくても重要度が高い仕事を最初に行うと、フロー状態になって仕事の効率化が図れます。
②私たちは体内時計のリズムに合わせて生活している
地球や月や太陽の動きなどによって、どのように私たちのホルモンなどが機能しているのかを研究した時間生物学という概念があり、冒頭でもお伝えしたように、そこでは「ウルトラディアンリズム(数時間単位)」、「サーカディアンリズム(日単位)」、「サーカルナリズム(月単位)」、「サーカニュアルリズム(年単位)」という4つ体内時計が私たちに備わっていると考えられています。
体内時計とは、例えば1日単位で見ると、日中はとても活発的だけど夜になると呼吸がゆっくりになってまばたきの回数が減ってきたり、月単位で見ると、この時期は怒りっぽくなったり、またこの時期は仕事がしたくなったり、別の時期ではダラダラしたくなったりなど、私たちが活動する上では欠かせない自然の摂理なのです。
4つの体内時計のうち、ウルトラディアンリズムは、数時間から数十分の枠でどのように動いているかという細かいリズムであり、仕事を効率化するためには、その時間単位のリズムに合わせて集中して取り組んだり息抜きや休息したりする必要があります。
③適度に休息をとって燃え尽きないように気を付ける
無理して頑張っても効率は上がらないどころか下がっていってしまいますので、所々で休息をとってリフレッシュしましょう。
私たちは、上手に休憩していかないとどんどん寿命が縮まっていく傾向があるんですよね。例えば、車を運転するときに、手入れもせずにずっと走りっぱなしだとエンジンがオーバーヒートしてしまいます。
これと同じで、私たちも「まだいける、まだいける」と休憩もなしに頑張り続けると、それが慢性疲労となってエネルギーが燃え尽き、「やる気が起きない」、「常に眠い」などとバーンアウトしてしまうのです。
バーンアウトして仕事ができなくなってしまうと本末転倒ですので、仕事を効率化するためにも、休憩することは悪いことなどとは考えずに、適度な休息を取り入れることを心がけましょう。
実践編
④タイマーを使って重要度が高い仕事から取り組む
時間を区切って取り組むと仕事が効率化できますので、そのためにタイマーを使いましょう。
カチカチ音が鳴るタイプだと気が散って仕事に集中できなくなってしまいますので、デジタル式のタイマーを使って、仕事や休息の時間を設定すれば、フロー状態になりやすくなって、1日充実して取り組むことができます。
そして、導入編①でもお伝えしたとおり、重要な仕事からこなしていきましょう。一番重要な仕事→休息→2番目に重要な仕事→休息…のようなスケジュールで行うと、整理しながら実行できて仕事が効率化できます。
⑤最低でも2時間に1回は休息をとる
ウルトラディアンリズムを考えた時、私たちの集中が持続するのは長くても2時間ですので、2時間活動したら10分~20分の休息をとると仕事が効率化されます。
休息の仕方は人それぞれですが、目を閉じて睡眠をとるなどして外部との情報をシャットアウトすると、今自分が取り組んでいる仕事が頭の中で整理され、より仕事の効率化が図れますよ。
寝ることが難しいという場合でも、遠くを眺めたり軽くストレッチしたりするなどして頭を休めれば、途中でバーンアウトすることを防げて、燃え尽きることなく仕事に取り組むことができます。
⑥休息睡眠は20分以上してはいけない
寝て休息をとる場合、20分以上寝るとメラトニンが分泌し始めてなかなか起きられなくなってしまいますし、一度分泌されると「眠くはないんだけど頭がぼーっとする」という状態になってしまいます。
それでは仕事が効率化されませんので、休息睡眠は20分以内と決めましょう。
また、20分以内の休息睡眠であれば、夜の睡眠に影響せずに夜になったらちゃんと眠くなりますので、安心して行ってください。
バーンアウトしたりメラトニンが分泌されたりして仕事の効率が悪くならないためにも、最低2時間に1回、20分以内の休息をとることを心がけましょう。
■編集後記
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
しっかり休むことってなかなか難しいですよね。私なんかもそうで、学校に通っていた頃は、「授業中は居眠りするな。」とか、「休むな、話を聞け」などというように言われてきたので、休憩を取ることにどうしても罪悪感を覚えてしまうんです。
職場でもそうですよね。少し休んでいるだけでさぼっていると思われてしまう…。休息の取り方を知らない人ほど、自分の仕事の効率が悪くなっていることに気づいていないのにって思ったりもします。
私の場合は、ある程度仕事にキリを付けたらトイレに行って、5分くらい目を閉じて頭を休めるようにしていますし、昼休憩には喫茶店などで20分くらい寝ています。それだけでも全く休憩しない時とだいぶ違うんですよ。
イベントなどでどうしても休憩できない時がありますが、その時は夕方になるとフラフラになってしまいますね。やっぱり、仕事の効率化を考えたら、数時間働いたら5分でも10分でも体や頭を休めることって大切だなって感じます。
「休息をとらないと」って力んでしまうと全然休められませんし、仕事に集中できなくなってしまうので逆効果ですが、2時間でなくても数時間働いたら、少なくても数分間、できれば20分休められると、1日仕事がはかどります。
きっちり2時間働いて20分休息をとるということができない方でも、私のように、数時間働いたら数分でもいいので動きを止めて休憩してみてください。続けて仕事をしている時よりも、集中できますよ。
おさらい
仕事効率化のために知っておきたい6つのこと
・導入編
①仕事効率化のためには「フロー」に入ることが大事
②私たちは体内時計のリズムに合わせて生活している
③適度に休息をとって燃え尽きないように気を付ける・実践編
④タイマーを使って重要度が高い仕事から取り組む
⑤最低でも2時間に1回は休息をとる
⑥休息睡眠は20分以上してはいけない