面接官の質問にとっさに答えるのは難しい、特に面接室の緊張した雰囲気の中では自分の名前すら忘れてしまいそうになりますよね。
面接官の質問に対して、さっとスマートに答えるためには、事前の準備が必要です。面接室の中で答えを考えているようではだめ、鉄の心臓を持っていても頭が空っぽでは面接官を唸らせる答えはできないものです。
しかし、一方で面接官の質問の多くは事前に想定できるもの、奇問難問は一度の面接で多くて一つ二つ、さらに奇問難問で面接の結果の是非が決まることはほとんどありません。
入試の最後の最後に出題される難問と同じ、面接の可否は多くの就活生が解けない難問ではなく、奇問難問の前のごく一般的な面接官の質問にどれだけ的確に答えられるかにかかっているのです。ということで、今回は面接官の質問に焦らないために、事前に整理しておくポイントについてお伝えします。
面接官の質問に焦らない、
事前に整理しておくポイントとは
自己紹介は空で言えるように丸暗記しておくこと
面接官の質問はまず、「自己紹介をしてください」から始まります。というわけで、面接の前には自己紹介を丸暗記しておきましょう。エントリーシートや履歴書に書いた経歴や学歴、長所、自己PRを参考に自己紹介をまとめます。
自己紹介は一息で言うことができる長さにまとめること、目安は一分以内です。自己紹介を作ったらそれを何度も唱えて覚えます。
面接のスタートを切る自己紹介の時間は、面接のうち最も緊張している時間、緊張で頭が真っ白になっても自己紹介だけはきちんとできるように頭に叩き込んでください。自己紹介の時間を乗り切ることができれば、その後の面接官の質問にも焦らず冷静に答えることができますよ。
志望動機はエントリーシートの志望動機+αで用意しておくこと
面接官の質問で最も答えにくいのが「どうして我が社で働きたいのですか。他の会社ではだめなのですか」の志望動機を問う質問ですよね。
志望動機は「一生懸命がんばります」という熱意や「御社が大好きです」という愛だけを訴えてもだめ、面接官の心には響きません。面接の前に、面接官の心をぐっと掴む志望動機を用意しておきましょう。
このときのポイントは、エントリーシートに書いた志望動機+αで答えを用意しておくこと、たとえば面接を受ける会社と同業他社を比較して「○○の面でA社よりも御社の方が優れているから、私はA社よりも御社の理念に心を打たれたから」というような答えを用意しておきましょう。
志望動機の質問には同業他社と比べたり、面接を受ける会社の具体的な業務やビジネスモデルについて言及し(これをすると事前に会社の研究もしてきたことを面接官にアピールできますよ)、それに共感した・感動したというように答えるのがおすすめです。
自分の長所や強みをアピールする準備をしておくこと
日本人は何かと自分を卑下したり謙遜したがるもの、しかし面接官から長所や強みを質問されたときに、「いえいえ私には長所なんて何一つなく」なんて謙遜してはいけません。
面接官から長所や強みを問われたときには、石ころをダイヤモンドだとアピールするくらいの度胸と図々しさが必要です。なんていっても、いつも控えめ控えめに生きている私たち、しかも普段以上に委縮するであろう面接室で、いきなり自分の長所を堂々とアピールすることなんてできません。
その場でできないのであれば、事前に用意するべし!面接の前には自分の長所や強みを整理し、堂々とアピールできるよう準備しておきましょう。
少々嘘をついたり見栄を張っても大丈夫、面接官は答えの内容よりも、自分の強みを胸を張って言える度胸や自尊心があなたにあるかを見ているので、嘘や見栄はご愛嬌です。
短所を長所にすり替える答え方を用意しておくこと
面接官の意地悪な質問の一つが、あなたの短所を問う質問です。良いところだけをアピールしなければいけない面接で悪いところを教えろというのですから、面接官も意地悪ですよね。
家電屋さんで「この炊飯器の欠点は何ですか」と店員さんに問うようなものです。とはいえ、面接では訊かれたことには答えなければいけません。しかし、馬鹿真面目に答えてもいけません。短所を訊かれたからといって、自分の短所を五個も十個も並べないでくださいね。
短所の質問に対しては「自分にはこのような短所があり、これまで困った状況に置かれることもありましたが、困難な場面で努力をしたことで今では○○という短所を○○という長所にかえることができました」というように答えます。
短所を答えるふりをして、もう一つ長所を答える、面接前には、自分の短所をこのように答えられるように準備しておきましょう。
面接官に対する質問を用意しておくこと
面接の最後ではしばしば「何か質問はありませんか」という逆質問タイムがもうけられます。ここで「特にありません」と答えたのでは、面接官の心証はよくありません。
心の底から「この会社で働きたい」と思っていて、しかも目の前にその会社の社員がいる、志望動機に嘘偽りのない熱心な就活生なら聞きたいことが山ほどあるはずです。
逆質問に対して「特になし」と答える、それだけで面接官はあなたの志望動機や情熱に疑問を持つわけです。とはいえ、就活生の立場からすれば、逆質問なんてとっさには思いつかないもの、面接官の自分に対する質問が終わったのであれば一刻も早くこの場から立ち去ってしまいたいというのが本音ですよね。
「一刻も早く」をぐっとこらえて面接官の心をくすぐる質問を投げかけるためには、事前にいくつか質問を用意しておくことが大切です。
たとえば、「御社に入社するまでにはどのような勉強や準備をしておくべきか」「どのような心構えを持つべきか」など、間違っても福利厚生や給料を訊かないでくださいね。
いかがでしたか。以上が面接官の質問に焦らないために事前に整理しておくポイントについてでした。面接官の質問の多くはどの会社の面接で訊かれるごく一般的なもの、事前に答えを用意しておけば面接本番の緊張する場面でも、大ポカをすることはないでしょう。
ただ、志望動機や長所など、事前に整理や準備をしておかなければとっさには答えにくい質問も多いです。面接前には会社に提出したエントリーシートをもう一度見直し、志望動機や自己PR、長所を頭に叩き込んでおきましょう。
このとき、エントリーシートに書いた通りを覚えたのでは意味がありません。面接で訊かれたときを想定し、質問に対する答えとして志望動機や長所を頭に叩き込みます。つまり、箇条書きで覚えてはだめということ、「私の長所は~です」と文章で答えられるよう準備しておいてください。
まとめ
面接官の質問に焦らないためには
・ 自己紹介は空で言えるように丸暗記しておくこと
・ 志望動機はエントリーシートの志望動機+αで用意しておくこと
・ 自分の長所や強みをアピールする準備をしておくこと
・ 短所を長所にすり替える答え方を用意しておくこと
・ 面接官に対する質問を用意しておくこと