あがり症は辛いですよね。人前に立ったり初対面の人と会う予定があるときは、何日も前から憂鬱になりつつも脳内でしっかりシミュレーション、それなのに本番になると心臓のドキドキとともにいつものあがり症がやってきて、あなたの邪魔ばかりします。
顔が赤くなったり、舌がもつれたり尋常でない量の汗をかいてみたり……なかには歩き方を忘れたなんて大ポカをおかすこともあります。
頭はもうパニック寸前、人前に立っている間の記憶は消し飛び、あとには「ああすればよかった、練習したのにうまくいかなかった」という自己嫌悪だけが残ります。
このようなあがり症は生まれつきの性格だからいくら人前に立っても治らないというイメージがありますが、自分のメンタルを上手にコントロールすることで、あがり症の緊張やドキドキ、失敗を回避したり和らげることができますよ。ということで、今回はあがり症の辛さを解消するメンタルトレーニングについてお伝えします。
あがり症の辛さを解消する
5つのメンタルトレーニング
あがり症で緊張体質の自分を受けいれること
まずは自分があがり症であることを認めることから始めましょう。「先日のプレゼンの失敗は準備不足だったから」「本来の自分はこんなものではない。
本当はもっと上手にできるはず」「誰とでも仲良くなれるフレンドリーな自分」など、あがり症の自分を認めずにいる間は、あがり症の辛さは解消できませんし、人前に立ったり初対面の人と会うごとに「本来の自分はこんなはずではない」という気持ちが膨らんでしまいます。
「これ以上失敗したくない」という失敗を恐れる気持ちや自己否定ばかりが大きくなるため、あがり症の症状がさらに深刻になりますよ。
あがり症の自分を認めること、「自分はあがり症だから明日のプレゼンは人並にはできないかもしれない」とあがり症の自分に過度な期待をしないこと、これだけでもあがり症の辛さの半分……は言いすぎかな、でも3分の1程度は解消するはずです。
成功のハードルを下げること
あがり症のあなたは、結婚詐欺士のように口先一つで他人の気持ちをぐっと掴むことはできませんし、カリスマセールスマンのように流ちょうなトークはできません。練習しても無理です、諦めましょう。
あがり症のあなたは自分が伝えなければいけないことを相手に伝えることができれば、それで百点満点、大成功です。プレゼンで、手足が一緒に出てもよし、顔が赤くなって滝のような汗が出てもノープロブレム、資料をきちんと説明できていればそれでよいのです。
途中どんな失敗をしても台本の最後までしゃべり通した、それがあなたの成功です。それ以上を望めば辛くなるだけです。
脳内反省会をしないこと
あがり症の方は人前に立ったり初対面の人と会った後、必ず脳内反省会をします。それはもう執拗に、何度も脳内で記憶を再生しては、「ここが悪かった」「もっとこうすればよかった」「相手に変に思われてはいないかしら」と繰り返し反省します。
ただ、この反省会、いくら反省しても次には生かされません。あがり症の失敗は反省して改善するものではないからです。むしろ、繰り返し失敗の記憶を再生することで、脳に「失敗した」という記憶が深く刻み込まれトラウマになってしまいます。
次、人前に立つときは、このトラウマが蘇り、いつも以上に足が震えること間違いなし!脳内反省会はやめましょう。終わったことでいつまでも悩まないことです。
自分以外は皆かぼちゃだと思い込むこと
誰しも他人から注目されることは恐怖を覚えるし不安を感じるものです。ちょうどライオンに囲まれたバンビのような気持ちになりますよね。あがり症の方では、この状況に置かれるだけでジ・エンド、あとはライオンに食われるだけでしょう。
しかし、ライオンがかぼちゃだとしたら?あなたはかぼちゃ畑の真ん中に立っているだけです。これなら緊張しないでしょう?人前に立つとき、目の前の人は皆、かぼちゃだと思い込みましょう。
「そんなの無理。それができたら苦労しない」という声も聞こえてきそうですが、部長や取引先がどうしてもかぼちゃに見えないときには、もう見ないことです。顔を見ない・目を合わせない、目を合わせるから相手がライオンに見えてしまいます。
目が合わなければ、相手の視線に鈍感でいられますよ。最初から最後まで自分の手もとか、天井や床あたりを見ておきましょう。
視線を遠くに向けるのもおすすめです。「それでは、上手なプレゼンにならない」って?忘れていますよ。あがり症のあなたは高望みをしないこと!どこを見ながら話しても、最後まで話すことができたら万々歳です。
他人の失敗を思い出してみること
あなた自身の中にはあなたがこれまでやらかしてきた失敗の数々が積み重なっているでしょうが、一旦自分自身の失敗からは離れ、他人の失敗を思い出してみましょう。
思い出せないですよね。あなたの失敗だって、あなた以外の人の記憶には全く残っていないもの、他人への興味なんて皆そんなものです。
あなたがいつまでもこだわっている失敗や、これからおかすであろう失敗も、他人の記憶に残っているのはそのときだけ、こう思えば、失敗をするのも怖くなくなりますよね。また、あがり症で失敗をしたことをいつまでもくよくよしたり、恥ずかしく思う必要もなくなります。
いかがでしたか。以上があがり症の辛さを解消するメンタルトレーニングについてでした。あがり症を解消したいときには、まずはあがり症の自分を認めることから始めましょう。
あがり症であることを認めたら、自分への期待を捨てます。自分に高いハードルを設定して、クリアできない自分を責めるのはやめましょう。
あがり症のあなたは、プレゼンや自己紹介から逃げなかった・最後までやり通した、これだけで成功です。これ以上の反省は必要ありませんし、これ以上に上手くやりたいと思うのは贅沢です。
人には得意不得意があるのですから、あなたは自分の得意分野を伸ばして、あがり症が足を引っ張る分野は他人に花を持たせてあげてくださいね。
どうしてもあがり症の自分にくよくよしたり、恥ずかしく思ってしまう方、他人の失敗を思い出してみましょう。そうすれば、誰もあなたの失敗なんか覚えていないことに気付くはずです。
まとめ
メンタルトレーニングであがり症の辛さを解消するためには
・ あがり症で緊張体質の自分を受けいれること
・ 成功のハードルを下げること
・ 脳内反省会をしないこと
・ 自分以外は皆かぼちゃだと思い込むこと
・ 他人の失敗を思い出してみること