論理的思考、と聞くととても難しそうですよね。自分とは無関係に思えてしまうかもしれませんが、論理的思考とはつまるところ、「必要な順番に必要な事だけを効率よく伝える」「目的を考えて、それに沿った行動をする」「何かを決定するときには目的を明らかにする」といった能力のことです。
論理的思考を身に着けると全体像が把握しやすくなるため、自分自身の思考の整理だけでなく、相手にも分かりやすく伝えられるようになったり、トラブル回避にも役立ったりします。
仕事をはじめとした日常生活に重宝するこのスキルは、実は正しいやり方を実践することによって誰でも取得することができるのです。そこで今回は、論理的思考を身につけて仕事に有効に活かすためのポイントについてお伝えします。
「結論+理由」の順番で話をするよう心がける
論理的思考の対角にあるのが「思いつき」です。論理的思考を身に着けたいなら、誰かに何かを報告したり話したりする前に、自分の中で話をまとめる癖をつけましょう。そのためには「結論+理由」の順序で話すように心がけます。
例えば、思ったままを整理せずに伝えると、相手からは「結局何が言いたいんだ」と思われてしまいます。相手が知りたい情報をしっかり把握し、まずはそれを伝えることで相手側にも、ストレスなくこちらの話を聞く心の準備ができます。
そこで「○○は××です、なぜなら~です」と結論を先に伝えるようにしましょう。コレを繰り返すことで、自分の中で結論や理由をまとめて伝える訓練になります。
理由を複数上げて信憑性をアップさせる
論理的思考に慣れてくると、自然と説明なども結論から話し始めることに慣れてきます。そうしたら、今度は理由や根拠の数をもう少し増やしてみると、より詳しく相手に伝えることができるでしょう。
といっても何個も羅列してしまっては焦点がぼやけてしまうので、1~3個くらいがちょうどよいと言えます。根拠が複数あると話にも信憑性を持たせることができますから、相手が食いついてくれる率も高くなりますよ。
論理的思考に慣れると、話し方も「○○は××です。なぜなら~だからです」というものから「○○は××です。理由はいくつかありますが、例えば△△、□□、●●です」といったような感じに変わってくるのがわかるはずです。
自分自身でも自然に結論に至るまでの理由を考えるようになりますから、論理的思考の処理能力がワンランクアップするのが実感できるようになりますよ。
まとまらなくなってきたら媒体を移す
さて、論理的思考に慣れてきたあたりでワンランク上の対応を求められると、頭の中で整理しきれなくなる時があります。そんな時は「考えをメモに書き出してみる」ことをおススメします。
頭の中だけだと思考があちこちに飛ぶのでうまくまとまりませんが、実際に紙に書き出し、視覚から情報を取り入れることで思考をまとめる訓練ができるようになります。さらに、紙に書く癖がつくと、提案書や書類などを作成するスキルも併せて訓練できるようになるのでまさに一石二鳥!
きれいじゃなくても構いません、まずは自分がわかればよいのですから、気負うことはありませんよね。まとまらなくなって来たら即メモ!論理的思考に慣れてきたときほど使えるテクニックです、覚えておきましょう。
なぜ?どうして?が出なくなるまで思考を掘り下げる
ここまできたらだいぶ論理的思考に慣れてきているのではないでしょうか。そうしたら、今度はもうワンランク自分の思考をアップさせてみましょう。理由を述べるのは、良いことばかりではありません。
「○○は××、なぜなら△△というデメリットがあるからです」ということだってありますよね。ここで終わらせてもよい場合もありますが、ここからさらに深く掘り下げられないかを考えましょう。
・△△というデメリットがある
→どうしてそういうデメリットが出るのか
→そのデメリットは別の方法でカバーできないのか
このように、手詰まりになるまで考えてみることで思いがけないアイディアが飛び出ることがあります。紙に書いてみれば一目瞭然なので考えもまとめやすいですね。論理的思考で「なぜ」「どうして」がすべて解消されるまで考える癖をつけてみると、あなたの企画などにもより深みが増すでしょう。
データは心強い味方になる
論理的思考の強い味方になるのが「データ」です。人間不思議なもので、ただ話をされるよりも第三者の意見が混じっている方が信用しやすいという特徴があります。いくら論理的思考で話をしても、話だけでは主観の域を出ない場合もあります。
そこで有効なのがデータです。データは客観的な根拠があるという証明になります。具体的に出せればよいのですが、ない場合は必ず「私(我々)の経験では」と付け加えると信憑性が増しますよ。
もっとも、データが毎回そろっているわけではないのが常ですが、あれば話に説得性を持たせることができると覚えておき、そろえられるようであれば、その場に合うデータをそろえておくと、説得なども比較的スムーズに進めることができるでしょう。
さて、「論理的思考」「ロジカルシンキング」と言われると難しく感じますが、実際にはちょっとした考え方や訓練で十分身に着けられるものだと感じていただけたのではないでしょうか。
改めて論理的思考を意識し、順序立てて考えるのは少々面倒な作業かもしれませんが、慣れてくれば苦ではならなくなりますし、もしかしたらもうすでに、日常生活内で無意識に行っているかもしれませんね。
もしも、挑戦してみようかなと思ったら、まずは「結論から言う」ことを心がけてみるとよいでしょう。ぐだぐだと結論を先延ばしにすることほど、相手の心が離れてしまうと覚えておき、結論から伝え、そこに根拠となる理由やデータを付け加えていくようにすると、あなたの仕事の効率も一気にアップするはずです。
まとめ
論理的思考を身に着けるには
・ 「結論+理由」の順番で話をするよう心がける
・ 理由を複数上げて信憑性をアップさせる
・ まとまらなくなってきたら媒体を移す
・ なぜ?どうして?が出なくなるまで思考を掘り下げる
・ データは心強い味方になる