投資の初心者だと、投資を運用するためには最初に何から手をつければ良いかわからないものですよね。
しかし、それは何にでも言えることなので、特に気にする必要はありません。例えば、事前準備を何一つせずに、突然「クウェートに行ってください」と言われても混乱するでしょう。クウェートってどこにあって、どんなところで、治安はどうなのか、英語は通じるのかなど、知らない人にとってはわからないことだらけです。
投資も同じで、知らないことだからこそ怖いものだと感じてしまうもので、投資の初心者の方もちゃんと勉強して理解することができれば怖いものではなくなります。むしろ、人生の選択肢を拡げる材料にもなり得ます。
そういう方のために、今回は、投資の初心者の方でも迷わずに投資を始められる5つのステップをお伝えします。
投資とは
投資とは、現在の資産を投じることで、将来的に資産を増やそうとすることで、スキルアップのために本を買って勉強することも投資と言えます。今回は資産運用という意味で「投資」という言葉を使います。
それでは、ギャンブルと投資はどう違うかというと、ギャンブルの目的は娯楽です。競馬やカジノ、宝くじなどがそれにあたります。
では、ギャンブルの資金はどこから生み出されるかというと、ギャンブルに参加している方が払った掛け金が使われているのですが、ここで重要なのがギャンブルの場合、主催者側にも取り分があるということです。競馬を例に挙げると、競馬を運営している側は、競馬場やネットからレースの結果を予想できるサービスなどを運営しており、多くの人件費がかかっているので、そこで働いている方には給料が支払われますよね。では、その給料がどこから支払われているかというと、競馬で予想した掛け金が使われているのです。
つまり、ギャンブルに参加している方が払ったお金は、必ずマイナスの状態で戻って来るんです。例えば、ギャンブルに参加した方の全員の合計で1000万円の掛け金が集まったとしても、運営側の取り分で200万円を差し引いたとすると、ギャンブルに勝った人には800万円しか分配されません。一見理不尽に思えますが、運営側からすると「娯楽を提供する」というビジネスなので、参加する側からすると文句は言えるものではないんです。
対して投資はギャンブルのように掛け金が運営側に取られることはありませんし、株式投資のように株式を購入してくれた感謝の気持ちから配当金を得られるものもあります。
このように、ギャンブルと投資には大きな違いがあるんです。
投資の種類
投資について理解できたら、今度は投資の種類について理解しましょう。
投資には様々な種類がありますが、投資の初心者であれば、この時点で目が回ってしまい、どの投資を選んだらよいか迷ってしまいますよね。
以下に比較的有名な投資の種類を一覧化したので読んでみて、興味があるものをいくつかピックアップしてみましょう
株式投資
ほとんどそのままですが、株式投資とは、「株式を買うこと」です。株式とはみなさんがよく聞く「株」の正式名称で、株式会社が資金を確保するために株式を発行します。
株式を買って株主になれば、配当金をもらう権利と株価が値上がりした際に利益を得る権利が与えられます。また、株を保有していると、株主優待券をもらえたりしますね。例えば、マックの株を持っているとハンバーガー無料券をもらえたりします。
また、昔は株式を購入できる単位が大きく、個人では買うのが難しい状態でしたが、現在は1株から購入できるようになったので、個人でも小資金から株式投資を始められます。
FX
FXはForeign eXchangeの略称で、日本語訳では外国為替証拠金取引と呼ばれています。意味は、日本語訳そのままですが、「少額の外貨を証拠金としてかけて、大きな資金で取引を行うこと」です。
少額の資金で多くの資金を動かせる理由はレバレッジをかけているからです。レバレッジとは英語でleverage書き、直訳では「てこの力」という意味です。つまり、少額の資金にてこの力を加えることで大きな金額を取引できるということです。日本の証券会社では最大25倍のレバレッジ、海外の証券会社では最大888倍のレバレッジをかけることができます。
ただ、レバレッジが大きいからと言って、極端に恐ることはありません。むしろ、レバレッジが大きいことに対するメリットもあります。どちらにせよ、最初に投資した資金が限りになくゼロに近くなることはあっても、借金を背負うようなことはないのでご安心ください。
投資信託
投資信託とは、「多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が国内外の株式・再検討に分散投資し、運用する金融商品のこと」です。…と言っても長くて伝わりにくいですよね。簡単にいうと、「運用のプロに資金を預けて利益を出してもらう」ということです。別名ではファンドとも呼ばれています。
もちろん、プロに任せているからと言って安心というわけではなく、マイナスになる場合もあります。というのも、投資信託は数ある投資を組み合わせたワンパック商品であり、国内外問わずに株式、債券、不動産を組み合わせて作られているので、いくらプロであっても運用がうまくいかないことがあるからです。もし、プロに預けて100%利益を出してくれるならみんなそうしますよね。
また、投資信託自体、数ある投資の中から組み合わせて作られたものですが、投資信託の数も大量にあります。なので、個人が数ある投資信託の中からベストなものを選ぶのは難しいです。ましてや、投資の初心者だと投資信託の数だけでも頭が混乱しそうになります。
ですので、初めのころは銀行に相談してみてください。銀行に行くと資産運用の担当者がいるので、その方に相談しながら投資対象を選ぶとよいでしょう。もちろん、相談だけであれば無料なので、ぜひ活用しましょう。
債券投資
債券投資をご説明する前に、まず債券とは何かというと「国、地方公共団体、企業が資金を集めるために発行する証券」です。つまり、債券投資とは、「国、地方公共団体、企業に対してお金を貸して、利息の受け取る権利と値上がりした時に売買すると利益を得られる権利をもらえる取引」です。
銀行預金との違いは、株やFXなどと同じように満期日が来る前に売買することができる点です。ただ、企業の債券(社債)を買った場合、その会社が満期日前に倒産すると投資したお金が返ってこない可能性があります。そういう意味では、国の債券(国債)を購入することで安定的に利息を受け取ることができますが、利息はその分少なくなります。
先物取引
先物取引とは、「決められた日に決められた価格で商品を売買する取引」です。例えば、大豆やトウモロコシといった日常的なものから、石油や金、債券などの金融商品など様々なものが対象になります。
先物取引もFXと同様にレバレッジをかけることができます。ただ、FXと違うのは、資金を払う期日が決まっているので、なんらかの方法で期日までに大きな損失を出すことを知ったとしても取り返しがつかないことです。もちろん、FX同様に救済措置がついており、借金を背負うようなことにはなりませんが、FXのように被害が大きくなる前に途中で取引をやめることはできません。
先物取引は運用がとても難しいので、投資の初心者には避けた方がよいでしょう。
不動産投資
不動産投資とは、「利益目的で不動産を購入し、賃料などで利益を得る投資方法」です。対象の不動産は土地や駐車場、アパート、マンションなど様々です。
例えば、アパートを購入して1部屋の賃料が8万円の部屋が10部屋あったとすると、単純計算で毎月80万円の収入が得られます。ただ、アパートやマンションの場合は空室対策などをしなければ、使われない部屋が出てしまいます。空室の部屋が多く、その期間が長ければ長いほど収入が得られません。
株やFXなどと比べて多くの資金が必要になりますが、個人の信用度が高ければ銀行からローンを組んでお金を借りることも可能です。ただ、投資の初心者はローンを組んでやることはオススメしません。
というのも、不動産投資は専門用語がたくさんありますし、どの不動産を購入すればよいか調査したり、学ぶことがたくさんあるからです。それに、ただ座学で学んだからといって完璧にこなせるわけではなく、実際にやることで見えてくることもたくさんあります。なので、初めからローンを組んで物件選びに失敗したら、貯金や給料からローンを払い続けなければなりません。そうなると生活も苦しくなってしまいます。
投資の初心者なら、余裕資金を作った上で取り組みましょう。
外貨預金
外貨預金とは、「外貨で銀行預金を行うこと」です。外貨預金に対して、円預金はみなさんも日常的に行っている日本円を銀行に預金している行為です。
ではなぜわざわざ外貨を用いて銀行預金をするかというと、日本の銀行の金利よりも海外の銀行の金利の方が高いものがあるからです。また、円高のときに日本円を外貨に変えて預金し、円安になったときに外貨を日本円に戻して引き出せば利益になります。もう一つ、リスク分散という意味で日本円と外貨を合わせ持つというメリットがあります。
ただ、逆に、日本円を外貨に変えて預金したあと、円高が進み預金した資金がマイナスになることがあります。また、預金時と引き出し時の手数料が高額だということがデメリットです。
選択したものを集中的に学ぶ
投資の種類を見て興味がある投資をピックアップできましたね。
ただ、一度に複数の投資について学ぶのは難しいので、今回は1つだけ選んでみてください。その投資について集中的に学んでいきます。
学ぶ方法はいろいろありますが、オススメは本やネットを活用することです。本であれば、amazonのレビューを見つつ、良さそうなものを3冊ほどピックアップして読んでください。ネットは本を読んでいるときにわからないことがあったら都度検索して意味を調べたり、ブログや無料のメルマガを発行している方がいたら登録してみてください。
ただ、セミナーに参加することはあまりオススメしません。本やネットでは自分のペースで勉強を進められますが、セミナーに行くと囲い込みで教材を売りつけられたりする可能性があるので、投資の初心者の方にはあまりオススメできません。もちろん、そんな怖いセミナーばかりではないので、自分が選択した投資について知識がついてきたら参加してみるのもありです。
お金を使わずに練習をする
1つだけ選んだ投資に対して基礎知識を叩き込んで、すぐにお金をかけて投資を始めるわけにもいきません。というのも、例えば、バレーのルールだけ知っていてもバレーの試合で活躍できないのと一緒で、実際にボールを触って、レシーブをして初めて動きの感覚がわかるものです。
投資も同様に、いきなり実践で資金をうまく運用できません。ビギナーズラックでうまくいくこともありますが、それはあくまで運です。
では、どうすればよいかというと、バレーと同様に練習を行います。そして、できればお金を使わずに練習を行います。なぜならば、ここでお金を使ってしまうと、実際に投資に使う資金が減ってしまうので、できるだけ考えて、お金を使わない練習方法を探しましょう。
例えば、株でいうと仮想証券口座と仮想マネーを用いて株式取引ができるアプリがありますし、FXでも一切お金を使わずにデモトレードができる機能があります。どちらも調べればすぐに出てくるので、ぜひ検索してみてください。
それでは他の投資はどうすればよいかといいますと、株やFXも含め、過去の記録を調べるんです。株やFX、投資信託などは過去の値動きがわかりますし、不動産投資は、購入しようとしている物件と似た物件を探して、空室率や利回りを調査したりできます。
アプリやWebのサービスなどがないからといってあきらめないで、過去のデータを調査して、それを今の投資対象にシミュレーションしてみると、実際に取引をする前の練習になります。
まとめ
このように、5つのステップを実践すれば、投資の初心者でも迷うことなく投資を始められます。
あとは実際に投資を行う中で、失敗と成功を繰り返して経験を積み、その経験を将来の利益につなげましょう。
複数の投資を行いたい方も、まずは一つの投資をに集中して学ぶことをオススメします。まずは一つの投資で、安定して利益を上げられるようになったあと、最初に学んだ投資の利益を別の投資の資金に充てましょう。一気に欲張って複数の投資を行おうとすると、中途半端な知識だけが残り、投資に失敗して資金が尽きてしまう可能性が高いので注意してくださいね。
投資にはリスクがつきものですが、リスクも理解すれば怖いものではなくなります。勇気を持ってまずはその一歩を踏み出しましょう。
初心者が投資を始めるには
1.「投資」の意味を知る
2.投資の種類を知る
3.選択した投資を集中的に学ぶ
4.(できれば)お金を使わずに練習をする
5.実際に投資を行う