仕事ができる人はコンディショニングを意識していて、食事にも気を遣い、常にハイパフォーマンスの仕事をこなしています。
私たちの体の約9割は食べたものからできているのですが、彼らはそのことを意識して、体に良いものは何なのかを積極的に学び、それを取り入れているのですね。
「食事なんて気にせずに、今食べたいものを好きなだけ食べて生きていきたいんだ!」などという声が聞こえてきそうですが、それを毎日の習慣にしていると、じわじわと内臓を始めとした体の中の細胞がダメージを受けていって、気が付いた時には慢性病で手に負えなくなり、後悔しながら死んでいくことになってしまいますよ。
逆に、仕事ができる人たちが実践しているように食について勉強し、どんなものが体に良いのかあるいは悪いのかを理解して普段の生活に取り入れると、いつまでも元気で若々しくいることができるのです。
そこで今回は、食事に関して、仕事ができる人たちはどういう考え方をしているのか、そしてどのようなことに気を付けて何を食べて体をコンディショニングしているのかについて、お伝えします。
今すぐに実践できることについてもお伝えしますのでぜひ試していただき、体の調子を整えて彼らに負けない体を手に入れましょう。
仕事ができる人に学ぶ!ハイパフォーマンスのための食事法
§1 仕事ができる人の食事に対する姿勢とは?
① 読書などで学んだらまず試す
仕事ができる人たちの多くは必ず読書をしていて、しかも読んで終わりにすることなく、その本から得た知識で自分にできることは何かを考えて行動に移します。
『幸せいっぱい!読書7つのメリット』でお伝えしたとおり、私たち日本人の約半分は本を読む習慣がありませんが、仕事ができる人たちの中には1日1冊(年間300冊以上)も読んでいたり、さらには1か月で100冊以上読んでしまう超人もいるほどなのですよ。
私たちの体は一人ひとり違いますので、残念ながら本に書かれていること全てが自分に当てはまるとは限りません。だから彼らは、自分に合う食事や運動は何なのかを試していって、それを見つけたら今度は習慣化して完全に自分のものにしていくんですよね。
食に関する情報は本だけに限るものではありませんが、例えばテレビやインターネットなどで良さそうな情報を見つけたら、全部鵜吞みにするのではなく、それが自分にも合うものなのかをあなたも試してみましょう。
② 「消化=体力の消耗」と心得ている
私たちの体には「酵素(こうそ)」というたんぱく質があって、それは「代謝酵素」と「消化酵素」の2つのグループに分けることができます。
そして私たちが体や頭を使って活動している時には代謝酵素が働いていますが、食事をした時にはほとんど消化酵素にエネルギーを持っていかれてしまうのですね。
食事をしてから1~2時間後に、急激に睡魔が襲いかかってきたという経験をしたことが、きっと皆あるハズ。それは、2時間くらい走り続けたことと同じくらいのエネルギーを消化に使っているからなのですよ。
仕事ができる人たちは、消化にかなりのエネルギーを消費するということを知っているので、例えば体調を崩した時には無理に食事をして消化にエネルギーを使うことはせずに、栄養摂取はほどほどにしておいて、代謝酵素を働かせて回復を試みます。
食事をした後にいつも眠くなってしまうという人は、食べる量をいつもよりも控えめにして、消化に体力のほとんどを削ってしまわないように注意しましょう。
③ 空腹を恐れずに内臓機能の回復を図る
消化によって体力を消耗しているということは、それだけ内臓にも負担をかけているということですので、内臓を休める時間を作ってあげる必要があります。
もし仮に、空腹の時間を作ることなしに食べ続けていたとすると、それは24時間寝ることも足を止めることもなくずっと走り続けている状態と同じこと。それではすぐに疲れ切って体に疲労が溜まってしまうことは、容易に想像できますよね。
空腹の間に、ボロボロになっていた胃やすい臓、腸などの内臓機能が回復し始め、さらに「サーチュイン遺伝子」が活性化して怪我が治りやすくなったり、脂肪が燃焼されて筋肉がつきやすくなったり、若返ったりします。
仕事ができる人の中には、忙しすぎて食事を摂る時間すらないという人もいるようですが、食事をしたら次に胃に食べ物を入れる時間は、約5時間空けてからと決めている人が多いようですね。
もしあなたがいつも間食をしていて、内臓を休めていない状態であるのでしたら、空腹は体の中が回復し始めている証拠と考えて、空腹を恐れずにむしろ歓迎しましょう。
§2 気を付けるべき食事法とは?
④ 「バランス良く」は一食ではなく一週間単位で考える
「バランス良く食べないと」と思って、1回の食事で野菜や米や肉や果物を一度にたくさん摂ろうとすると、内臓にかなりの負担がかかって寿命を縮めてしまうことになります。
私たちが色々な種類の食べ物を食べた時、胃やすい臓、胆のうなどの内臓は、それらを溶かして消化吸収しやすくするために、様々な分泌液をピュッピュピュッピュと出しますので、消化すべき食べ物の種類が多いとそれだけ内臓に負担がかかっているのですね。
仕事ができる人たちは、例えば「今日の朝はベジタリアンになろう」、「夜はローフードにしよう」、「たまには肉ばかりの食事にしよう」などと、一食で何十種類もの食べ物を摂ろうとはせずに、一週間のうちで野菜、お米、肉や魚、果物などをバランスよく食べることを心がけています。
そしてたまには、「今日は飲み会なので暴飲暴食OK」などと普段のルールから外れることで、精神的なバランスもとっているのですよ。
⑤ 食べ合わせに注意する
1回の食事で色々な食べ物を一度に食べると内臓にかなりダメージを与えてしまうことになるので気を付けなければなりませんが、実はもう1つ注意しないといけないことがあります。
それは、一緒に食べてしまうと消化吸収に負担がかかって生活習慣病などの病気を引き起こす原因になってしまう食材があるということです。
例えばパイナップル。パイナップルは腎臓機能を良くしてアンチエイジングになり、それ単体で食べると体にとても良いものですよね。
しかし牛乳と一緒に食べると、パイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素が、牛乳に含まれるたんぱく質と化学反応を起こして上手く消化できなくなり、多くの場合下痢になってしまうのです。
また、同じ炭水化物でも、ラーメン(小麦)とチャーハン(米)などのように原料が違う炭水化物を一緒に食べると、内臓はそれぞれに対して分泌液を出さねばならず、負担がかかって肥満などの原因となってしまうことがありますので、当たり前となっている食事でも食べ合わせに注意する必要があるのですよ。
何と何を食べるといけないのかを挙げるとキリがないのですが、食べた時に自分の体の声を聞くようにしてみてください。
食べ合わせが悪いと、重い症状の場合は吐いてしまったり下痢になったりしますし、軽い場合だと、おなかが痛くなったり、おなかに空気が溜まったり、急激に眠くなったりしますので、そうなった場合は、次の食事からは一緒に食べないよう、気を付けていきましょう。
⑥ 床に就く直前や夜10時以降は食事をしない
眠っている間も消化器官は動いていて、床に就く直前に食事を摂ると、体が休まらずに疲れが取れなくなってしまいます。
それを避けるためにも、寝る3時間前までには食事を済ましておきましょう。
また、夜10時から夜中2時の間には、脂肪を蓄える働きをするBMAL-1(ビーマルワン)というたんぱく質が活性化するため、その時間帯に食事を摂るとブクブクと太る原因になってしまいます。
次の日の朝を快適に目覚め、いつも引き締まった体でハイパフォーマンスに仕事をこなすためにも、食事を摂る時間帯には気を付けたいものですよね。
§3 取り入れるべきものと避けるべきものって何?
⑦ 朝食は野菜又はフルーツが良い
「今日も一日元気に過ごすために、朝食をたくさん食べてエネルギーを蓄えよう」と思って肉や米をたくさん食べてしまうと、朝から頭がボーっとして仕事が手に付けられなくなってしまいます。
消化のために、ご飯やパンなどの炭水化物は約8時間、肉類は半日から1日かかってしまい、「消化=体力の消耗」ですので、朝から消化にエネルギーを吸い取られてしまうことになるのです。
一方で、野菜や果物を消化するための時間は、1~2時間程度で朝食に適した食べ物と言えるでしょう。
野菜や果物が炭水化物や肉類に比べて、なぜそんなに早いのかというと、「食物酵素」が含まれているからなのです。
野菜や果物を放置しておくと、ドロドロに溶けてしまいますよね。冷蔵庫の中で腐って溶けていた…なんていう経験はありませんか。そのドロドロに溶かす物質が食物酵素で、野菜や果物は食物酵素の作用で勝手に溶けるため、効率よく消化できるということなのですね。
ただし、果物を食べるときには食べ合わせに注意が必要で、基本的には一食に一種類を食べることをオススメします。
野菜同士であれば何種類食べても大丈夫なのですが、果物は食べ合わせによって薬にも毒にもなりますので、例えば朝食にリンゴを食べるのであれば、リンゴ3個以外は何も食べないなどと、なるべく他のものと一緒に食べないように注意しましょう。
⑧ コンビニ弁当やファーストフードはなるべく避ける
コンビニ弁当やファーストフードは手軽で安価でとても便利なので、何を食べようか迷った時や忙しい時は、ついつい食べてしまいますよね。
しかしそれらの食べ物には、化学調味料や農薬、化学肥料を使って大量生産されているため、コンビニ化した食習慣が当たり前になると、体の調子を整えることが難しくなってしまいますよ。
「手間暇をかけない=何かを失っている」ということにつながりますし、私たちの体の約9割は食べ物からできていますので、コンビニ化の習慣を続けていると、化学調味料などのせいでだんだんと体がたるんできます。
仕事ができる人でも、忙しい時はコンビニ弁当で済ますこともあるようですが、それを習慣化することなく、普段は体のことを考えた食事を摂っていますので、もしあなたがコンビニ化の習慣が当たり前になってしまっていたら、まずはその状態から脱出しましょう。
■ 編集後記
◎ 食事に対する考え方を変えると体の感覚が鋭くなってきた
今回お伝えした内容は、薬膳の先生から教わったことをもとに、もう一度書籍で勉強し直してまとめています。
特に大切なことは、「食べ合わせ」。例えば、子どもの頃、学校給食を食べた後におなかが痛くなったり、やたらと空気が溜まったりした経験はありませんか。
私はよくなっていて、自分の胃腸が弱いせいかなってずっと自分のせいにしていました。でも実は、食べ合わせが悪かったからだということを、先生から教わりました。
牛乳とオレンジが一緒に出たり、肉じゃがとご飯がセットだったり…子どもの体は大人よりも敏感なため、それらを一緒に食べると「消化に負担がかかっていますよ」というサインを腹痛や下痢、発熱といった形で表すんですよ。
さて、話をもう一つ。私の知人の何人かは経営者だったりビジネスオーナーだったりするのですが、彼らに共通することは、健康に対する意識が高いということです。
「自分の体は資本」で、元気でなければ何をやっても楽しく感じられないため、体をとても大事にしているということなんですね。
私も彼らのように仕事ができる人になりたいため、食生活に気を配っていたら、だんだんと体の感覚が鋭くなってきたように感じるんです。
例えば、たまにコンビニ弁当を食べる時があるのですが、食べた後は必ず頭がボーっとしたり急激に眠くなったりして、体がより敏感に危険信号を発信するようになったんですよね。
マッドサイエンティストになる必要はありませんが、あなたも日々の生活の中で少しだけ食べ合わせに気を付けたり、空腹の時間を作って内臓を休めたりすれば、昨日よりも今日、今日よりも明日はもっとハイパフォーマンスになって、いつしか仕事ができる人と皆に思ってもらうことができますので、今回お伝えした食事法をぜひ実践し、続けて行きましょう。
おさらい
仕事ができる人に学ぶ!ハイパフォーマンスのための食事法
§1 仕事ができる人の食事に対する姿勢とは?
① 読書などで学んだらまず試す
② 「消化=体力の消耗」と心得ている
③ 空腹を恐れずに内臓機能の回復を図る§2 気を付けるべき食事法とは?
④ 「バランス良く」は一食ではなく一週間単位で考える
⑤ 食べ合わせに注意する
⑥ 床に就く直前や夜10時以降は食事をしない§3 取り入れるべきものと避けるべきものって何?
⑦ 朝食は野菜又はフルーツが良い
⑧ コンビニ弁当やファーストフードはなるべく避ける
◆参考文献
・『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』 2014.11 上野啓樹・俣野成敏 (株)クロスメディア・パブリッシング
・『はたらく人のコンディショニング事典』 2015.12 岩崎一郎・松村和夏・渡部卓 (株)クロスメディア・パブリッシング
・『髪は増える!』 2015.8 山田佳弘 (株)自由国民社
・『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』 2015.9 デイヴ・アスプリー[著]・栗原百代[訳] ダイヤモンド社