心理学には、好意の返報性という考え方があります。これを上手に活用することで、人間関係を改善することができるんです。上司や同僚、友人、近所の人など、毎日さまざまな人と関わる機会がありますよね。
すべての人と気が合えば良いのですが、誰にでもどうしても気が合わない人や苦手な人が一人はいるもの。それが、日ごろからよく関わる人であればあるほど、感じるストレスは大きなものになります。
これでは関係性が改善するどころか、ますます悪くなってしまいかねません。日ごろから感じるストレスを減らすだけでなく、作業効率をアップさせるためにも、効果的に人間関係を改善しましょう。ここでは、好意の返報性を活用して人間関係を改善する方法をお伝えします。
好意の返報性を理解して行う、
間関係を改善する術とは
好意の返報性とはどういうことか知っておきましょう
人間関係の改善方法をお伝えする前に、まずは好意の返報性がどういうことなのかを知っておきましょう。返報性とは「してもらったことに対して、何かを返したくなる心理」のこと。多くの人が「受けた恩をいつか返そう」とか、何かもらったときには「お返ししよう」などと思いますよね。
これは、一見すると日本人独特の考え方のようですが、実はこれこそが返報性です。この返報性を好意という感情に当てはめたものを好意の返報性と言います。
無料で試供品をもらってしまうと、購入を断れなくなったり、すぐに購入するつもりはなかったけれど、親切に対応してくれたことが嬉しくて、ついその場で購入を決めたりなどの経験がある人も多いのではないでしょうか。
これらは、好意の返報性を応用したビジネス手法のひとつです。好意の返報性は、私たちが思っているよりもずっと身近なところで広く活用されているんですね。
まずは自分が相手を好きになりましょう
あなたは、明らかに自分に対して嫌悪感を示している人を好きになれますか?多くの人がNoと答えるのではないでしょうか。これもまた返報性のひとつで、嫌悪の感情には嫌悪を返してしまいがちなんです。
人間関係がうまくいっていない人との間には、この嫌悪の返報性が働いています。つまり、お互いに嫌悪感を示しているから人間関係が改善しないんですね。
特殊な状況下では例外もありますが、私たち人間は、好意の返報性により、自分に好意を寄せている人に対して嫌悪感を抱くことはほとんどありません。
たいていは、好意を寄せてくれる人に対して好意を持つようになるんです。これを応用して、まずは、人間関係を改善したい人のことをあなた自身が好きになるところから始めましょう。
相手に対して、これまで苦手意識を持っていた場合、それが強ければ強いほど、難しいかもしれませんが、あなたがこれまで見てきたのは、相手のほんの一部分です。
苦手意識が働くことで見えなかった相手の良い面に目を向け、嫌な部分ではなく、良い部分を数えるようにするとうまくいくので、ぜひ試してみてくださいね。
自分のことを話しましょう
相手がどんな人なのか分からなければ、お互いの距離を縮めるのは難しいですよね。だからこそ、好意の返報性を活用する上で重要になってくるのが、あなた自身の情報です。
あなたがどんな人なのかを相手に知ってもらうためにも、話せる範囲であなた自身のことを話しましょう。自分のことを素直に話すということは、好意の返報性の応用です。こあなたが自分自身のことを素直に話すことで、相手のあなたに対する印象が良くなるので、少しずつ人間関係が改善していきますよ。
相手を褒めましょう
褒められて嫌な気持ちになる人はほとんどいませんよね。褒めるということは、好意と同じ。つまり、相手を褒めることにより、好意の返報性が働き、関係性が改善されるんです。
とは言え、ただ褒めれば良いわけではありません。好意の返報性を活用して褒める場合には、褒めるポイントに注意しましょう。
褒めるというと、手っ取り早く外見を褒める人がいますが、これはNG。上下関係をはっきりさせることにつながり、逆効果になってしまいます。
褒めるときには、相手の中身や能力などの内面を褒めましょう。ただし、毎回違うことで褒めると真実味がなくなってしまうので、ひとつのことに絞って褒めるのがコツ!
人を褒め慣れていないと、なんだか媚びているみたいで嫌だと感じる人もいますが、褒めると媚びるは別物です。褒めるという行為は、相手を良く見ていないとできないことなので、「私はあなたの内面の良さを認めています」という堂々とした態度で褒めましょう。
あなた自身も相手を褒める部分を探している間に、相手に関心が持てるようになるので、効率よく関係を改善していけますよ。
上手に甘えてみましょう
日ごろからツンケンしたような、どこか気取ったところのある人とは仲良くなりたいとは思えませんよね。人間関係を改善するためには、相手に好意を抱いてもらうことが大切です。
人に好かれる人の特徴を参考に人間関係を改善してみましょう。人に好かれる人の多くは、甘え上手です。甘えるということは、自分の弱さをさらけ出すこと。
これは、相手を信頼していたり、好意を寄せていたりしなければできないことです。つまり、好意の返報性が働くので、多くの人が弱い部分をさらけ出されると好意を抱くんですね。
人間関係を改善したい人がいる場合には、相手に弱い部分をさらけ出してみましょう。急に弱い部分をさらけ出すのは難しいものですが、少しずつ弱い一面を見せていくことで、相手が心を開いてくれるので、関係が改善していきます。ただし、誰にでも構わず甘えると、かえって印象を悪くするので注意が必要です。
いかがでしたか。
私たちは、日ごろからさまざまな人と関わっていますが、すべての人と良好な関係を築けるわけではありませんよね。でも、苦手な人と関わらなければいけない場面も多いもの。そのたびに我慢していてはストレスが溜まる一方です。
感じるストレスを減らすためだけでなく、作業効率をアップさせるためにも、人間関係を改善したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめしたいのが好意の返報性の活用です。好意の返報性とは、好意に対するお返しをしたくなる心理のこと。
あなた自身が相手を好きになれば相手も好きになってくれるという単純なものなので、相手を褒めたり、相手に自分の弱い部分をさらけ出したりすることが有効です。ここにご紹介したことを参考に、好意の返報性を上手に活用して、人間関係の改善に役立ててくださいね。
まとめ
好意の返報性を理解して人間関係を改善するには
・ 好意の返報性とはどういうことか知っておきましょう
・ まずは自分が相手を好きになりましょう
・ 自分のことを話しましょう
・ 相手を褒めましょう
・ 上手に甘えてみましょう