活字よりも漫画の方が好き、本を読むくらいならテレビやスマートフォンを見ていた方が楽しいって、誰でもそう思うものですよね。
そんな、読書にメリットを感じていない方でも、実は、私たちの言葉や感情、さらには脳に焦点を当てた時、読書のメリットがいっぱい見えてきます。
本を読むことに苦手意識がある方、そして本を読まなきゃと思っているけどなかなか実行できていない方、ぜひ、今からお伝えする読書のメリットをご覧いただき、まずは、本をパラパラとめくることから始めていきましょう。
幸せいっぱい!読書7つのメリット
§ 高いところから世界を見渡すことができる
① いつの間にか自分を成長させてくれる
例えば学校で習ったこと…その時は難しく感じたり、わからなかったりしたことでも、今となっては簡単に感じたり、何も考えずに普段の生活で使っている経験ってありますよね。
それは、本や教科書を読めば読むほど、脳の「側頭連合野」にデータが蓄積されていって、いつの間にか「自分の経験」としてストックされるからなのですよ。
読書メリットの1つ目は、自分が気づかないうちに、本の内容が経験として自分の中で育てられて、必要になった時に必然的に形となって表れてくれるというものです。
② 豊富な言葉や文章力を身に付けさせてくれる
2つ目は、本は何人もの知識や知恵が凝縮されて練り上げられた文章で、それを読むことにより、色々な表現を知って自己表現が上手くできるようになるという読書メリットです。
「言葉」とは、人とつながる能力であると同時に、感情や状況を把握するもの。どんなに時代が流れても、私たちは必ず言葉を使い続けます。
特に、SNSが発展している現在においては、「文章」を通した「書き」、「読み」によってコミュニケーションをする割合が増えていますよね。
読書をしてその内容をまとめることにより、たくさんの言葉を知り、自分の個性を活かした文章力を鍛えることができますよ。
③ 周りの人に圧倒的な差をつけさせてくれる
私たち日本人の約50%の人たちは、本を読む習慣がないので、読書で周りの人たちに差をつけるチャンスなのです。
文化庁の「国語に関する世論調査」(平成25年度)での、「1か月に読む本の冊数について。」という問いに対して、「読まない」の割合が47.5%と最も高く、次いで、「1,2冊」の割合が34.5%、「3,4冊」の割合が10.9%、「5,6冊」の割合が3.4%、「7冊以上」が3.6%でした。
つまり、週に2冊(1か月に8冊)本を読むだけで、私たちは日本人の上位4%に入ることができるという読書のメリットがあるのですね。
この文化庁の調査では、「自分の読書量を増やしたいと思うか。」という問いもあり、そこでは約70%の人が増やしたいと答えているものの、その中には本を読まない人が50%います。
実際には、心で思っているけれど行動に移せていない人がほとんどだ、ということですので、読書を始めるには今からでも全然遅くないですよね。
§ 危険を回避して問題を解決することができる
④ 予期せぬことを知らせて免疫力をつけてさせくれる
犯罪や財政破綻、戦争など、本の内容によっては、そのまま実現してしまうと社会に悪影響を及ぼしたり、自分が不幸になってしまったりすることが書かれている場合がありますよね。
でも、そのような「悪いこと」を知って対処法を考えることにより、いざ、自分の身に思いもよらないことが起きたとしても、とっさに回避することができるようになりますよ。
4つ目の読書メリットは、起きると困ることを事前に知ることができ、たとえ起きてしまったとしても「火事場の馬鹿力」のようなものが働いて、パッと対処することができるようになるということですね。
⑤ 問題解決策を示して不安やストレスを軽減してくれる
さて、5つ目の読書メリットは、本を読むことによって問題の対処法や解決策を知り、「何とかなる」と分かっただけで、不安やストレスの大部分をなくすことができるというものです。
不安は、脳の「偏桃体」(へんとうたい。「扁桃核」ともいう。)と関連していて、偏桃体が興奮状態に陥ると不安を感じやすくなります。
そして、扁桃体の興奮が長期にわたると、ずっとストレスにさらされることになって、最悪の場合、「うつ病」になってしまうのですが、読書により言語情報が頭の中に入ってくると、偏桃体の興奮が抑制されて気分が改善され、不安が解消されるのですよ。
本には、金銭・仕事・人間関係・恋愛・病気など、様々な悩みに対する解決策が書かれていて、その内容を知るだけでストレスを軽減できますし、さらに本の内容に沿ってできることから実践していけば、心に余裕が生まれるでしょう。
§ コンピュータに勝るとも劣らない脳力を手に入れることができる
⑥ 私たちの知性を発展させて個性豊かにしてくれる
時々、相手の言っていることが全く理解できなかったり、気持ちをくみ取れなかったり、全然共感できなかったりすることってありますよね。
でもそれって、もしかすると相手に原因があるのではなく、自分の知性や能力不足でそうなっているのかもしれませんよ。
読書によって、本に書かれている内容をイメージすることで共感能力がアップし、人の気持ちがわかるようになって人気者になることができます。
これは、コンピュータには決してマネできない、人間ならではの素晴らしいこと。人工知能を持ったコンピュータでさえ、質問に対する答えを話すことはできても、相手のことを理解できないので、質問を返すことはできず、会話として成り立たないのです。
読書をすると、私たちの知性が発展し、コミュニケーション能力が高まって、コンピュータよりも優れた「脳力」を創ることができるでしょう。
これからは、人工知能の発達によってたくさんの職業が失われるかもしれませんので、コンピュータの手の届かない領域で活躍するためにも、今のうちにたくさん本を読んでおきたいですよね。
⑦ 脳トレになり脳力がレベルアップして幸福感を与えてくれる
年を重ねると脳は衰えるって思っていたりしませんか。それ、実は少し違っていて、脳は少しでも鍛えてあげると、死ぬまで成長し続けてくれるのですよ。
例えば、一生のうちで脳が最も成長する時期は、20~40歳で、活動が活発になるのは、40歳前後であるということがわかっています。
さらに、脳の一部では、90歳前後でようやく本領を発揮するところがあり、読書が脳トレになって、一生、脳の色々な場所を成長させてくれるでしょう。
特に、読書が苦手な人ほど、本を読んでいるときに、喜びを感じるドーパミンがドバドバと出て、読書そのものが快楽になり、本を読み切ると、今度は幸福感を感じるエンドルフィンがドクドクと出て幸せに包み込まれるという読書メリットもあります。
脳が成長して幸せになるなんて、一石二鳥以上の効果があってステキですよね。
■編集後記
実は、読書が大の苦手だった
子どもの時は、親からは「本を読め~、本を読め~」って耳にタコができるくらい言われたり、学校では「教科書は声に出して読みなさい」って言われたりして、読書に全然魅力を感じていなかったんですよね。
だって、本を読めって言われても何の本を読めばいいかわからないし、朗読すると、喉が疲れるし時間がかかるしで、読書のメリットなんかこれっぽっちも考えたことなかったんです。
社会人になると、悩みって今まで以上にたくさん増えるじゃないですか。お金のことや人間関係、人生の目標、ビジネススキルなど…どうしたらいいのか、どこへ向かっていけばいいのか、どうしようもなく分からなくなって極端に落ち込んでいた時期があったんですよ。
そんな時に、たまたま近くの本屋さんに寄って、ビジネス書をパラパラ見ていたら、問題が解決したわけでもないのに、なんだか心がスッと軽くなった経験を、今でも覚えています。
それから数年後、『活字なんてなんのその!真・読書法で自然と本が好きになる』でお伝えした読書法を、人生の目標としている人から教わり、この方法を使って、今では週に3冊以上を目標に読書しています。
読書は、確実に自分を成長させてくれますし、時には、思いもよらないところから、幸せを運んできてくれることも…なんとなく、人よりもツイていることが多くなった気がします。
読書のメリットを知ったら、さぁ、次は実践!本の文字を一言一句読む必要はありませんし、朗読する必要もありませんので、まずは、一週間に1冊、本をパラパラめくるところから始めていきましょう。
おさらい
幸せいっぱい!読書7つのメリット
§ 高いところから世界を見渡すことができる
① いつの間にか自分を成長させてくれる
② 豊富な言葉や文章力を身に付けさせてくれる
③ 周りの人に圧倒的な差をつけさせてくれる§ 危険を回避して問題を解決することができる
④ 予期せぬことを知らせて免疫力をつけさせてくれる
⑤ 問題解決策を示して不安やストレスを軽減してくれる§ コンピュータに勝るとも劣らない脳力を手に入れることができる
⑥ 私たちの知性を発展させて個性豊かにしてくれる
⑦ 脳トレになり脳力がレベルアップして幸福感を与えてくれる
◆参考文献等
・『頭は「本の読み方」で磨かれる』 2015.7 茂木健一郎 (株)三笠書房
・『読んだら忘れない読書術』 2015.4 樺沢紫苑 サンマーク出版
・『読書を仕事につなげる技術』 2015.10 山口周 (株)KADOKAWA
・『平成25年度「国語に関する世論調査」の結果の概要』 文化庁
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/