読書をビジネスや将来に活かすために、マインドマップにまとめるという読書法があります。
この読書法を活用すると、“読んだことが記憶に残りやすくなる”、“後から見返した時に本の内容が一目で理解できる”、さらには“新しいアイディア出しやスキルアップにつなげることができる”ようになりますよ。
そこで今回は、本のどの部分に注目して、その内容をマインドマップにまとめれば良いのかを中心に、お伝えします。
読んだ分だけ身に付く!マインドマップ読書法の要点と解説
読書法の種類とマインドマップ
Ⅰ 速読しながら内容を理解する読書法
速読と呼ばれる読書法には大きく分けて2種類あり、1つ目は、目の訓練をして集中力を高め、目を速く動かして本を読んでいくタイプの読書法です。
この読書法は、全国で速読クラスが開催されているほど人気ですが、今回お伝えするマインドマップを使った読書法では対応できませんので、説明を割愛させていただきます。
2つ目は、本を読む目的を決め、自分が必要としている部分を抜き出すと本全体の約8割が理解できるという読書法です。
このタイプの読書法はマインドマップと相性バッチリで、目の訓練を必要としませんし、普段の読み方を少し変えるだけで自分の糧にすることができます。
どのように本を読み進めるといいのかについては、『活字なんてなんのその!真・読書法で自然と本が好きになる』をご覧ください。
Ⅱ 読書後にマインドマップをまとめると理解が深まる
本を読んだけれども内容を忘れてしまった、思い出せないなどの経験をしたことがきっとありますよね。
本の内容をマインドマップにまとめると、もう一度本を読まなくても、一目で重要なことが何かがわかり、理解が深まります。
マインドマップを書く方法は、“セントラル・イメージ→メイン・ブランチ→BOI→サブ・ブランチ”の順で書いていきますが、詳しくは、『ビジネスや将来設計に役立つ!マインドマップ書き方のコツ』をご覧ください。
マインドマップを活用した4つの読書法
① 本の外側の情報をまとめる
本の外側の情報とは本文以外の部分のことで、具体的には、“タイトル”や“サブタイトル”、“帯”、“筆者プロフィール”、“はじめに”、“おわりに”、“目次”のことです。
外側の情報には、本を売るために読者がわかりやすいようにと工夫が施されているので、その部分を見ただけで本の内容がわかるようになっています。本の重要な部分を見逃さないためにも、チェックしておきたい部分ですよね。
マインドマップにまとめるときには、BOIを“図書(タイトル・サブタイトル、著者、発行日、出版社)”、“帯(表表紙と裏表紙)”、“著者プロフィール”、“本の前後(はじめに、おわりに)”、“目次”の5つに決め、サブ・ブランチを細かく書いていきます。
この読書法は、本の概略が理解でき、軽く読書したような知識をつけることができます。
② 本に質問してその答えをまとめる
「この本から何を得たいのか?何のために読むのか?」という目的を設定し、本の中から目的に沿った内容を見つけていくという読書法です。
目的を決めたら、例えば、“○○をするための技術は何か?”や、“○○するためにはどんな方法があるか?”、“プレゼンするための○○に関する知識にはどのようなものがあるか?”などの質問事項を定めます。
そして、質問の答えが得られそうな部分について、目次を中心に探したり、とりあえずパラパラと全体に目を通したりしながら必要な個所を探し、そこを掘り下げて読んでいきます。
つまり、全部のページをしっかりと読むわけではなく、必要と思うページだけを読んでいくのですね。
マインドマップにまとめるときには、BOIを“図書(タイトル・サブタイトル、著者、発行日、出版社)”、“読む目的”、“質問の答え”、“その他”の4つに決め、サブ・ブランチを細かく書いていきます。
この読書法は、自分が欲しい情報だけを取り出すことができるため、無駄がなく、時間を短縮しながら本の中身を理解することができますよ。
③ 重要な個所をまとめる
一通りささっと本全体に目を通しながら、“自分が知らないところ”や“自分の考え・信念・価値観と反するところ”、“文章の太文字の部分”など、重要だと思う部分をチェックしていき、それをマインドマップにまとめる読書法です。
マインドマップにまとめるときには、“重要だと思うテーマ”のBOIを5つくらい決め、サブ・ブランチを細かく書いていきます。
この読書法は、自分にとって重要だと思う本の内容が一目でわかり、本に質問をして答えをまとめる読書法よりも、よりたくさんの情報を得ることができますよ。
本の内容を、少しでも多くのことに活用したいときは、この読書法が有効でしょう。
④ 目次だけをまとめる
本を深く読みたい場合に、この方法を用いるとたくさんの理解が得られますが、“目次をマインドマップにまとめる→読書or勉強→自分が必要としている部分をまとめる”というように、手間がかかりますので、すべての本に対して行う必要はありません。
ではどんな時に活用するかというと、例えば、「試験勉強で、どうしてもこの本を深く読んで理解しなければ…」というように、本の内容を丸ごと頭の中に取り入れたいときに適していますよ。
マインドマップにまとめるときには、“第1章 タイトル”というように、章とそのタイトルの両方を記載したBOIにすると、後で見返した時にわかりやすくて良いでしょう。
この読書法は、読書や勉強を行う前の準備としてマインドマップを作成し、初めに全体像を把握しておくことで、より深く、本やテキストの内容をつかむことができます。
■編集後記
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
今回お伝えした①~④の読書法のうち、私がよく使う方法は、もっぱら“②本に質問してその答えをまとめる”と“③重要な個所をまとめる”の2つですし、よく②と③を混ぜ合わせたような形で読書をしています。
この読書法は、かなり時短になりますし、それでいて内容が深まるんですよね!本って読んで終わりにしてしまうともったいないじゃないですか。
だから、自分の血肉にするために、読書したらマインドマップにまとめて理解を深め、そして得た知識を少しずつ試していく…そうすると少なからず自分に変化が現れるんですよ!もう、それが楽しくて、また興味を持った本を買ってきて読んじゃうんですよね。
読書するときは、①~④のどれかの方法を選択しないといけないというわけではありませんので、融合させたり、後ろのページから読んでみたり、真ん中から読んでみたりと、自分なりに工夫して読み進めていきましょう。
マインドマップ読書法は、読んだことが記憶に残りやすくなったり、後から見返した時に本の内容が一目で理解できたり、さらには新しいアイディア出しやスキルアップにつなげたりできますので、かなりオススメです!ぜひ習慣にしてくださいね。
おさらい
読んだ分だけ身に付く!マインドマップ読書法の要点と解説
・読書法の種類とマインドマップ
Ⅰ 速読しながら内容を理解する読書法
Ⅱ 読書後にマインドマップをまとめると理解が深まる・マインドマップを活用した4つの読書法
① 本の外側の情報をまとめる
② 本に質問してその答えをまとめる
③ 重要な個所をまとめる
④ 目次だけをまとめる
◆参考文献
・『読んだ分だけ身につく マインドマップ読書術』 2015.9 大岩俊之 明日香出版社
・『マインドマップ読書術』 2009.5 トニー・ブザン(近田美季子 監訳) (株)ディスカヴァー・トゥエンティワン
・『年収を上げる読書術』 2016.1 大岩俊之 大和書房