洞察力とは広辞苑によると「よく見通すこと。見抜くこと」とのこと、刑事でも探偵でもない自分に「洞察力を磨け」なんて言われても……と、なんだか尻込みしたくなりますよね。
洞察力がない方の中には、家族の気持ちや人間関係の微妙なバランスどころか、妻が髪を切ったことすら気付かないなんて方もいるのでは?これでは洞察力云々以前の問題、目が節穴です。あなたは気付かぬうちに、地雷を踏んだりいらぬお節介をして、家族からの信頼を失っているかもしれません。
このままでは家族が崩壊するのが先か、家庭にあなたの居場所がなくなるのが先か、こんな未来が訪れぬよう、今のうちに洞察力を磨いておきましょう。ということで、今回は洞察力を磨いて家族とおの苦しい関係を切り抜ける秘訣をお伝えします。
洞察力を磨いて
家族との苦しい関係を切り抜ける秘訣とは
言いたいことほど口にできないものだと気付くこと
家族だから遠慮はないはず、家族全員言いたいことを言っている、自分の家族は隠し事のない理想の家族だ!……とはいかないのが現実です。家族だから遠慮や我慢はないというのは嘘ですよ。
あなたは家族の全てを知っているつもり、受け入れているつもりでも、家族一人一人は言いたくても言えないことやあえて言わないことを胸に秘めています。
義両親の愚痴だとか、学校でいじめられているとか、加齢臭が辛いけど指摘できない、とか。洞察力を磨きたい方、まず前提として、家族だから遠慮や我慢はないという幻想は捨ててください。
家族だからこそ、言いたいことほど口にできないものです。あなたの両親にニコニコ接しているパートナーにも、毎日元気に学校に通っている子供にも、遠慮や屈託があるということに気付かずにいると、あなたの気付かないうちに家族関係が崩壊してしまうかもしれません。
言葉ではなく表情や態度から気持ちを推察すること
「大丈夫」というパートナーの言葉を額面通りに受け取っていませんか。「大丈夫」「元気よ」と言いつつ、ご飯を残していたり、珍しく寝坊したり、表情が曇っていたり、こんなときは言葉通りに受けとめて「今日も元気そうだな」「介護で疲れているのかと思ったけど、心配ないみたいだなんて考えてはいけません。
人間、言葉ではどうとでも繕えるもの、本当の気持ちは表情や態度にこそあらわれます。特に家族の場合、家族に迷惑をかけられない、どうせ私がしなきゃいけないし私の代わりはいないのだから、家庭の雰囲気が悪くなるのが嫌だからなどの理由で嘘の言葉でその場をやり過ごすことが多いですよね。
しんどいときもなかなか「辛い」「やめたい」とは言えないものです。だからこそ、洞察力で家族の本当の気持ちに気付かなければいけません。「大丈夫」と言っているときこそ、相手の表情や態度に注目してください。
自分の推察を「正しい」と考えず、修正していくこと
夫婦だから、親子だから、100%相手の気持ちが分かる、「彼・彼女はこう思っているに違いない」と考えてしまいがちですが、これこそ、洞察力に目隠しをするようなものです。夫婦、親子だからといって100%相手の気持ちが分かるわけではありません。
あなただってパートナーや親からわかったふうなことを言われたり、的外れな心配をされたらいらっとするでしょう?自分にとって身近な相手だからこそ、相手の気持ちや考えは分かりにくいもの、「こうに違いない」と決めつけたり先回りしていらぬお節介を働かないようにしましょう。
「彼ならこう考えると思うけど、本当はどうなのかな?」と相手を観察したり、相手に直接聞いてみることを怠らないでくださいね。
家族の関係を良好にする努力を怠らないこと
夫婦、親子だから友人関係のようにあれこれ気を回したり気を使わなくても、自然と良好な関係を維持できるものと考えてしまいがちですが、実際は違いますよね。
家族の関係を良好に保つためには、それ相応の努力が必要です。相手の気持ちを考えることはもちろん必要ですし、育児や看護など家族の間の問題を誰か一人に押し付けて自分は知らん顔をするのも絶対にだめ、仲良し家族どころかどんどん苦しい家族関係になってしまいます。
家族関係こそ努力で維持するものということを常に肝に銘じ、家族のちょっとした変化や家庭内の空気の変化を見逃さないようにしましょう。
いつでも寄り添い、助ける準備をしておくこと
学校や会社の悩み、病気やストレスなどの心身の不安など、問題を自分一人で抱えきれないとき頼りたい相手は家族ですよね。
家族にとってあなたもそういう存在になることで、家族に危機が訪れたり家族関係にひびが入り家族崩壊が目前に迫ったとしても、ぎりぎりのところで踏ん張り家族関係を再建していくことができます。
洞察力がないから家族が悩んでいることに気付けないと落ち込んでいる方、洞察力を磨くことももちろん大切ですが、それよりも「困ったことが起きたときに頼りになる存在」になることを目指してください。
子供が親に隠している学校や友達の悩みを見抜くのではなく、子供の方から打ち明けてくれる親になること、打ち明けてくれたときに子供の期待に応えてあげられる親になることを目指すのです。
いかがでしたか。以上が、洞察力を磨いて家族との苦しん関係を切り抜ける秘訣でした。家族だから隠し事はないはず!は幻想です。
家族だからこそ隠し事があるものということに気付くことが大切!このことに気付けば、家族の「大丈夫」「気にしないで」という言葉の裏にある本当の気持ちを見抜くことができますよ。
言葉よりも表情や態度に本当の気持ちが隠れていることもあります。とはいえ、推察はあくまで推察、あなたの洞察力が100%正しいとは限りません。「彼はこう考えていると思うけど、当たっているかな?」と自分の推察を過信しないことも大切です。
さらに、家族は自然に良好な関係を築けるわけではなく、良好に保つためには努力が必要なことも忘れないようにしましょう。
まとめ
洞察力を磨いて家族との苦しい関係を切り抜けるためには
・ 言いたいことほど口にできないものだと気付くこと
・ 言葉ではなく表情や態度から気持ちを推察すること
・ 自分の推察を「正しい」と考えず、修正していくこと
・ 家族の関係を良好にする努力を怠らないこと
・ いつでも寄り添い、助ける準備をしておくこと