物事について論理的に筋道を通して考える「ロジカルシンキング」という思考術が、ビジネスの現場で注目されていますよね。言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。
ロジカルシンキングは、プレゼンテーションや重要書類の作成など、様々な業務を進める上で土台となる基本的なスキルです。スキル、つまりロジカルシンキングは技術の1つであり、きちんとトレーニングをしなければ身につけることは容易ではありません。
けれど、改めて取り組むとなるとなかなか難しいという場合もあるでしょう。できれば、日常生活を送る中でトレーニングができれば理想的ですよね。そこで今回は、ロジカルシンキングが自然に身につく5つの生活習慣を5つお伝えします。
ロジカルシンキングが
自然に身につく5つの生活習慣
曖昧な表現をやめて言葉を具体的にしましょう
あるものごとについて順序立てて考えるスキルであるロジカルシンキングを身につけるためには、まず、普段から曖昧な言葉や表現を使わないように心がけましょう。
「和」を重んじる文化が根底にある日本では、良くも悪くもあえて白黒つけない結論や様々な解釈が可能である“玉虫色”の表現を美徳とする傾向がありますね。けれど、ロジカルシンキングを身につけるためには、そうした曖昧な言葉を極力使わないようにしてください。
例えば、「当日は現場の状況によって流動的に判断します」では、結局、当日にどうなるかわかりません。「当日、朝9時までに回答が無ければ、私が判断します」と言い切る方が具体的ですし、説得力や信頼感も増します。
また、どうしても曖昧な表現をせざるを得ないのであれば、内容について補足して説明するという癖をつけてください。
結論から話すようにしましょう
普段の何気ない会話の中でも、話が長い割に話の全容が分かりにくいという状況に遭遇することは珍しくありません。「それで、結果としてはどうなったの?」と聞きたくなることありますよね。
ロジカルシンキングにとって、本筋には関係ない余計な言葉や表現は必要ありません。できるだけ簡潔に分かりやすくするということが大切なのです。まず結論から話すためには、そのものごとの本質をきちんと理解しておく必要があります。
その上で、それを端的に伝えるわけですから、「結論から話す」というのは実は簡単なことではないのです。それだけに、ロジカルシンキングのトレーニングとしては有効ですよ。
先にお伝えしたように、日頃からできる限り表現を明確にして結論から話して、後から説明するというスタイルを心掛けるようにすれば、より効果的でしょう。
情報を事実と事実以外に分けましょう
テレビやインターネットでは毎日のようにニュースや情報が伝えられていますが、それらもロジカルシンキングのトレーニングに利用できます。それは、情報を事実と事実ではないものにわける、というものです。
ワイドショー番組などでは実際に起こった出来事と共に、各分野の専門家が持論を展開したり、ジャーナリストが独自取材を元にした解釈を披露したりしていますね。
新聞も各新聞社独自の特色があって、同じ内容の事件や出来事を扱っていても、こちらが受ける印象は千差万別です。
そうした日常に溢れている様々な情報を事実と事実以外のものに分類してみてください。事実と事実以外のものを色分けしながら新聞を読んでみるのも、お手軽にできるトレーニング方法の1つですよ。
日常の素朴なことに疑問を持ちましょう
日々の生活の中で当たり前になっていることについて、なぜそうなのか、という風に改めて疑問を持つことはあまり無いと思います。これを、あえて考えることもロジカルシンキングのトレーニングになります。
論理的に物事を考えるためには、ある結果に対してその原因や経緯がどうだったのかということを自ら探り、検証をしていくことが必要だからです。
「なぜ、あのコンビニは人気なのか」「どうして、海外のホテルではチップが必要なのだろうか」疑問を持ち、考えることはどんな小さなことでも、ありふれたことでも構いません。
そして、正解を導き出す必要もありません。日ごろから疑問に思ったことはそのままにせず、自分なりに検証してみるということを習慣にしてください。「なぜ」「どうして」という小さな疑問を持つことが、ロジカルシンキングの第一歩となるのです。
自分の周囲のものごとを分析してみましょう
先ほどお伝えした、素朴な疑問を自分なりに検証するということに少し似ているのですが、日々暮らしている中で遭遇した出来事やものごとについて分析をしてみることもトレーニングの1つの方法です。
例えばカフェを訪れた際にテラス席、テーブル席、カウンター席があったとして、各席の人数をみて時間帯や季節と関係があるのか、より客数を増やすには何ができるかなど、自分なりに考えてみてください。
特に電車の中は中吊り広告などが数多くあるので、週刊誌の見出しの内容について分析しても良いですし、中吊り広告そのものについて一車両でどれくらいの広告収入になるのか理論的に計算してみるのもロジカルシンキングの良いトレーニングになりますよ。
いかがでしたか。ロジカルシンキングが自然に身につく5つの生活習慣をお伝えしました。ロジカルシンキングは、ビジネスに限らず色々な分野において基礎となるスキルですので、身につけておいて損はありません。
ただ、きちんと身につけるために改めてトレーニングが必要となると、身につけたいと思っていてもハードルがやや高くなってしまいますよね。そのために、ロジカルシンキングを身につけようとする気持ちが失われるのは非常に勿体ないことです。
今回お伝えした生活習慣は、人と話をする際や通勤・通学などの移動中、ちょっとした外食時など、特別な準備をする必要もなく日々の暮らしの中で行えることばかりです。ぜひ、参考にしてトレーニングを続けて、ロジカルシンキングを身につけてください。
まとめ
ロジカルシンキングが身につく生活習慣
・ 曖昧な表現をやめて言葉を具体的にしましょう
・ 結論から話すようにしましょう
・ 情報を事実と事実以外に分けましょう
・ 日常の素朴なことに疑問を持ちましょう
・ 自分の周囲のものごとを分析してみましょう