「行かなきゃいけないのはよくわかっている、けど、学校に行きたくない」……そんな気持ちと葛藤することってよくありますよね。行きたくないと思う理由も人それぞれ。
「特に不満がないけれどなんとなく」という人もいれば、「いろいろな事情があって学校に行きたくない」という人、「そもそも学校なんて何の役に立つんだ」と思っている人もいるかもしれません。
学校とは、この先何十年と生きねばならないあなたが、社会生活を乗り切っていくための知恵や知識を身につける場所。一見なんの役にも立たないと思う事が、意外な形であなたを救うことも多々あります。
そこで今回は、気持ちを少しだけ前に向けて「学校に行ってみようかな」と思えるようになるための環境づくりについてお伝えします。
自分自身の気持ちについて、じっくり向き合う場所を作る
学校に行きたくないと思うこと自体は悪くありませんが、その理由について「ただおっくうだから」で片づけて、そこで思考を停止してしまっては何の解決にもつながりませんよね。
あなたはどうして学校に行きたくないのか、まずはその理由を深く掘り下げて考えることができる、落ち着いた環境を整えるところから始めましょう。
あなたが一番落ち着ける場所はどこですか?自宅の自分の部屋でもいいですし、公園や、お気に入りのスポットがある人もいるかもしれません。「何となく心が落ち着く場所」を見つけて、じっくり自分について考えてみてください。
・テストや勉強が嫌→どうして嫌なのか
・人と関わりあうのがめんどくさい→どうして人と関わるのが面倒だと思うのか
・朝起きるのがつらい→睡眠前の行動はどうか、睡眠に対する満足度の有無はあるか
など、本当の理由に行きあたるまで、突き詰めて考えていきます。自分自身と向き合って、出た答えによって、あなたがとるべき解決策は無限に変わってくるはずです。
自分の気持ちを吐きだす場所を、見つける
クラスメイトが嫌・先生が嫌・勉強が嫌、といった悩みから、片思いに苦しんでいる・誰かに嫉妬してしまうといった思い、はては、生きていること自体が苦しいと思っている人もいるかもしれません。
「学校に行きたくない」と感じる深層心理は「ただのさぼりだ」「なまけ癖だ」といった言葉で片づけられるほど簡単なものではありません。
ですが簡単に「学校に行きたくない気持ちを、誰かに相談しましょう」と言われても、相談する人を選ばなければ「結局わかってもらえない」とかえって空しくなってしまうこともあります。
心から信頼できる人がいるなら、その人に打ち明けてみましょう。身内や知り合いに知られたくないのなら「専門機関」という「第三者」に相談するという手もあります。
1人で抱えるのが苦しいのなら、そして吐きだして楽になれるのなら、ほんの少し力を貸してもらうつもりで誰かに話をしてみましょう。ただし、のめりこむのは禁物です。最終的に、決断を下すのは常にあなた自身だということを忘れないでくださいね。
時には上手に「病気」になってみる
学校に行きたくないと思う気持ちの裏側には、頑張りすぎている自分が潜んでいませんか?誰かの期待に応えようとする自分・クラスメイトから浮かないようにと気を使う自分・「周囲から見られたイメージに合う自分」を演じている自分……
そんなことを四六時中続けていたら、疲れもたまるというものです。そんな時は少し自分を休ませてあげましょう。「学校に行きたくない」と、学校そのものがつらくなる前に、一学期に1回くらいは「お疲れ休み」をとってみてはいかがでしょうか。
要は「仮病」ですね。といっても、これが癖になってしまうと人間「逃げ」を覚えてしまいます。逃げたって解決すべき問題はどこまでも追いかけてきますから、安易にこの方法を使うのならばおススメはできません。
日常生活をしっかりと、地に足つけて生きているあなたにだからこそ、許される方法です。現実と戦うための小休止、と考えて、力をためるためのお休みであることだけは、肝に銘じてくださいね。
学校以外の場所にも、目を向けてみる
あなたはどうして学校に行くのでしょうか。決められていることだから?周りが行っているから?行くのが当然だから?どれも正解ですが、どれも決め手にかけますね。学校とは、「あなたが生きていくための知恵や知識」を身につける場所の1つでしかありません。
めんどくさいノルマ(授業や宿題やレポートなど)があって、楽しいばかりではない人間関係があって、理不尽な思いをすることもある。もちろんそればかりではないでしょう。嬉しいこと・感動することにも出会えるかもしれませんね。
そうやって喜怒哀楽を味わいながら、あなたは寿命を終えるまでを生き抜いていく。そのために必要なことを学ぶ場所の1つが学校なのです。となると「学校に行きたくない」自分はダメ人間かもしれないという狭い了見は捨てていいことになります。
「学校に行きたくない」人こそ、世界の広さに目を向けてください。家と学校と習い事・バイトなどだけが、あなたの世界のすべてではないことに気づきましょう。
学校に行かない場合、どうするのかを考える
身も蓋もない言い方をすれば、小・中学校は義務教育としても、その先高校・大学へ行くか行かないかはあなた次第です。もっとも現代社会では学歴があるに越したことはありませんが、社会に出れば問われるのは「学力」よりも「人間力」。
極端な結論としては、「学校に行きたくないなら無理することはない」といえるでしょう。ですが、ここで考えたいのは「学校に行かないなら、自分はどうするか」。どんな言葉を並べたところで、基礎学力がなければ、社会に対応できないのは事実です。
つまり「学校に行きたくないなら行かなくてもいい」代わりに、「学校で学べるはずの事柄をどこで補うか」を考える必要性が出てきます。勉強だけならフリースクール・通信教育などを活用することもできるでしょう。中学卒業後から働くことも、不可能ではありません。
学校が行くことそのものが苦しいならば、他の方法を模索してみましょう。道が1つでないとわかれば、多少なりとも心の負担は軽くなります。大事なのは「自分の不幸を他者のせいにしないこと」「あなたが決断し、決断した以上は責任を持つこと」です。
さて、学校に行きたくない気持ちは誰にもあるかもしれませんが、その度合いは人それぞれです。踏ん張って、気合を入れて行けるものなら出席しておくに越したことはありません。しかし、中には学校に行くこと自体が苦しいケースもあります。
「学校に行きたくないけれど、保健室登校なら頑張れる」「毎日通うのは辛いけれど、何日かなら」など、あなた自身の深刻さによって対応策は全く変わってきます。一人で抱え込まず、氾濫する情報にいたずらに踊らされることなく、最適な方法を取捨選択してください。
そして、借りられる手は極力借りること!転校や退学、休学などは保護者の手がどうしても必要になってきますよね。明日何があるかわかりませんが、何もなければ80年くらいは生きるかもしれないのが人間です。
あなたの人生はあなたにしか作れない上、誰も責任を取ってくれません。後悔はできるだけ少なくて済むように、生きていきましょう。
まとめ
学校に行きたくない気持ちを和らげるためには
・ 自分自身の気持ちについて、じっくり向き合う場所を作る
・ 自分の気持ちを吐きだす場所を、見つける
・ 時には上手に「病気」になってみる
・ 学校以外の場所にも、目を向けてみる
・ 学校に行かない場合、どうするのかを考える